父は、いつも父の妹のことを気にかけていますが、たまに姉のことも聞いてきます。
父が認知症になる前はあまり自分の話をしなかったので、わたしは父に姉妹がいることを知りませんでした。(弟が一人いるだけだと思っていた)
かなり大人になってから母に、
「お父さんって何人きょうだいなの?」
と尋ねたところ、母は笑いながら、
「お父さんのきょうだいは4人」
と答えてくれた気がします。
そういえば、むかし父の妹の話を聞いたことがあるようなないような。
実際に会った記憶が明確なのが、父の弟(叔父)だけだったので、その問答もいつしか記憶の海に沈んでいったのでした。
母の日記や古いアルバムを見たり、父の断片的な話から推測すると。
父の姉(わたしからすると伯母)は、父の実家の近くにお嫁に行きました。
わたしが父の実家に行った時も、会っているようです。遠いから1〜2回しか行ってないし、小学校に上がるか上がらないかくらいの頃なので、全く覚えていません。
7〜8年前に、両親は二人で父の故郷に行きました。
伯母は認知症で、特養(特別養護老人ホーム)に入りました。
両親は伯母に会いに特養に行ったようで、その時の写真が残っています。
伯母は今いる場所もわからないらしく、
「誰々は特養に入ったけど、わたしはまだ大丈夫」
などと言っていたそうです。
父が伯母のことを聞いてくるたびに、その時の写真を見せますが、父は伯母に会いに行ったことを思い出せません。
写真を見ても、
「これは随分おばあさんだね」
などと言います。
父の中では、伯母は若いままなのかなあ。