バラシ屋にバラせないものはない。

粗大ゴミ回避のためにアタッシュケースを分解しました。


作業をしていると、こたつに入って横たわっている父が言いました。

「お母さん、何をしているの」

これは見えないところで人の気配がしているとお母さんと思っちゃうやつ。


父の近くに行き「何か言った?」と問うと父は、

「何でもないよ。何かしているから手伝うことはありませんかって言ったの」

と答えました。


「今は大丈夫。手伝ってほしい時は呼ぶから、その時はお願いします。お父さんのこと頼りにしているからね」

と言うと、嬉しそうでした。


その後、作業を再開してしばらくすると、

「何か手伝おうか」

とこたつに横たわったまま声を掛けてきました。


大丈夫だよ。お父さんは、いざと言う時にお願いします。


「いざと言う時が来るのかな」


お父さんは、最後の切り札だから。剣道の団体戦でも大将は最後に控えているでしょう?(剣道のこと何も知らないけど)


「そうか、俺は大将なのか。俺は強いからなあ」


お父さん、強いんだねと返すと、

「俺は強いけど、えらそうにしないんだ」

と言ってました。