父は、ファンタオレンジが好きみたいです。


この前、早朝に起き出して冷蔵庫からファンタオレンジを出して飲み、

「ファンタはおいしいねえ」

と一人でしゃべりながら飲んでいました。


さすがファンタ。

むかしからあるから、父でも簡単に名前を口にできる。


ファンタオレンジが売ってない時は、似たようなものだろうとオランジーナを買いました。


その話を夫にしたところにやにやしながら「そんな意地悪して」と言われました。


いやいやいや!

そんなんじゃないんですよ。

オランジーナを飲んだ父が「オランジーナはおいしいねえ」と言うのか言わないのか見たいとか、そんな気持ちで買ったわけじゃないですよ。


そんな気持ちで買ったわけじゃないのですが。


ある日、台所で父が何かを見ながらぷつぷつと一人でしゃべっていました。


何かと見に行くと、オランジーナを飲みながらオランジーナのボトルを見つめてつぶやいています。

「オレンジナ…オレンジ…オレンジナ…」


ラベルのカタカナで書いてある部分を示し「オランジーナだよ」と教えました。


今後も時々、オランジーナを買いたくなりました。