父がむかしの手帳を引っ張り出して、父の妹に電話したいと言い出しました。
用件があるわけではないのです。いつもの発言の延長なのです。
「(父の妹)さんには、この前のお手紙書いて返事をもらったよ。お父さんもお手紙書いたら?」
と便箋を渡しました。
ハガキの方が安上がりでいいと言うのですが、わたしも手紙を書くから一緒に送った方が安上がりでしょうと言うと納得しました。
忘れてしまうので、付箋に「(父の妹)さん宛に手紙を書いたらわたしに渡してください」と書いて便箋に貼りました。
しかし、何で手紙を書くのかを忘れてしまいます。
「俺はこの人から手紙をもらったのか?」と言います。
手紙をもらったのはお父さんじゃなくて、わたしです。
お父さんがいつも妹のこと気にしてるから、わたしが代わりに手紙を書いて出して、その返事が来たんですよ。
と説明すると、その手紙を見せろと言います。
見せると、5回も6回も声に出して最初から最後まで読んでいました。
しかし、便箋は白紙のまま。
母が買い置きしていたハガキがあったので「ハガキの方がいい?」と渡すと、父はハガキがいいと言いました。
そして、宛名と差出人を記入するところまでは到達しました。
しかし、肝心の文章は一文字も書けず。
父の妹も、ハガキを受け取ったところで困るかもしれないけど。