父の言うことに調子を合わせて話をしています。

今日は、一度寝た父がトイレに起きて、寝床に戻る時に言いました。

「うちのじいさん、ばあさんは、俺が来るからよそへ泊まったんだろう?」

えっ。
ごめん、その設定はわからない。

最近、母を指して「うちのばあさんはどこに行ったんだ」と言うことはあるのですが、じいさんばあさん?

とりあえず、そうだよ、と言ってみる。

「明日には戻ってくるんだよな?」と言うので、そうだよ、と言ってみる。聞き返されて、嘘がバレたみたいな気持ちになった。まあ、嘘なんですけど。

「俺も2〜3日は、ここにいるつもりだけどよ」
と言って、寝床に戻る父。

本当に何の設定なんだ。
ここはどこなんだ。(父の中で)

困惑していると「あんたが元気でいてくれて本当に助かるよ」などと、グッとくる言葉を投げかけてくる。

「わたしもお父さんが元気でいてくれて、嬉しいよ」
と返したけれど、父の中で今のわたしは娘だったろうか?
父の中で今、父には娘が存在したのだろうか?

色々な過去や、架空のことが混じりあって、時空を超えて父の物語を作っている。