父と接する時、気をつけていることがあります。

それは「声をあらげないこと」


認知症の人に怒鳴ったりすると、徘徊が増えると聞いたことがあります。

言葉や出来事は記憶できないけれど、不快な感情は蓄積するので「この家は居心地がわるい」「ここにいるのは嫌だ」と感じて外に出てしまうのだとか。


怒鳴ったところで何も解決しないし、事態を悪化させるだけなので、落ち着いて、落ち着いて。


むかし、父の物忘れが多くなった頃。

カッとなった母が、父を怒鳴りつけ手を上げたことがあります。


元々の父は、真面目で責任感が強く、誰からも頼られるリーダーシップのある人でした。

だから母は、父が変わっていくのが余計に悲しくてつらくて苦しかったんだと思います。母を責めることはできません。


わたしはその時、見ているだけで何もできなかったし、何も言えなかった。


だからせめて、今、父に落ち着いて接するのです。