抗核抗体

anti-nuclear antibody : ANA

抗核抗体:細胞核の成分を抗原とする自己抗体、膠原病のスクリーニング検査

 

抗核抗体の種類と関連疾患

 

間接蛍光抗体法の染色パターン  主な自己抗体       関連疾患

均質型(びまん型)       抗ヒストン抗体(LE因子)薬剤誘発性ループス
                抗DNA抗体         SLE

核小体型            抗リボソーム抗体      SLE
                抗RNAポリメラーゼ抗体   強皮症

辺縁型(膜型、シャギー型)   抗DNA抗体         SLE

斑紋型             抗Sm抗体          SLE
                抗U1RNP抗体        MCTD
                抗SSA抗体        シェーグレン症候群
                抗SSB抗体         強皮症
                抗Scl-70抗体

散在斑紋型           抗セントロメア抗体     CREST症候群
                             原発性胆汁性胆管炎

 

                             日本リウマチ学会

 

間接蛍光抗体法の染色パターン

 

辺縁型:核膜に近い辺縁のみが染色され、中心は暗くなります。

核小体型:核小体のみが染色されます。

均質型:核が核小体をむらなく均質に染色され、紋様はありません。

散在斑紋型:核内がまばらな顆粒状に染色されます

斑紋型:核全体が斑紋状に染色されます

抗核抗体検査の注意

 

膠原病は自分の細胞の核に対して自己抗体を産生します。しかし、核には様々な成分が含まれていますので、ある成分に対する抗体が産生されても悪影響を及ぼさないことも多いので、抗核抗体陽性のみでは膠原病と診断できません。

抗核抗体は特異度の低い検査で、膠原病以外でも陽性になることがあるばかりか、健常人でも陽性となることがあり、40倍以下が20~30%、80倍以下が10~12%、160倍以下が5%、320倍以下が3%という報告もあります。 Guidelines for Clinical Use of the Antinuclear Antibody Test and Tests for Specific Autoantibodies to Nuclear Antigens | Archives of Pathology & Laboratory Medicine (allenpress.com)

抗核抗体陽性であっても無症状の場合には、必ずしも専門医へ相談する必要はありません。抗核抗体(ANA| 一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR(ryumachi-jp.com)