スパイダーマンの衣装がより、ピタッとしてシャープに。
そして、登場する悪役は、元々は善人だったという過去があり、
ただ何かに対する恐れが悪へと変身させてしまう・・・。
それは、ピーターも然り。
ピーターは正義の味方になったが、彼らは悪へと転化するしかなかった。
という視点があるのが好きです。
新聞に掲載された拙文です。

「アメイジング・スパイダーマン2」


Spider-Man and related characters and elements: TM & (C)2014 Marvel.



2012年にキャストとスタッフを一新し、
再起動した人気アメリカンコミックの映画化第2弾。
超人的能力を駆使し、スパイダーマンとして活躍する青年ピーター・パーカー(アンドリュー・ガーフィールド)が、ニューヨークの平和を脅かす敵たちに立ち向かう。
シリーズに共通するヒーローとしての華々しい活躍と、
人間としての恋愛や人生への苦悩が軸になっている。

スパイダーマンに助けられたことから、
ファンになった電気技師マックス(ジェイミー・フォックス)が、
仕事で感電事故に合い、怒りのパワーを電力に変えてしまう怪物エレクトロとなる。
パワーを制御できず暴れたエレクトロは、
スパイダーマンを敵とみなし攻撃を始める。

ビルに反射する陽光や、ラブシーンの背景に広がる
柔らかな夕焼けなど自然の美しい光と対照的なのが、
エレクトロが創り出す稲妻。
怒りがパワーの源であることが彼の悲劇性を増す。
宙を舞うアクションに加え、自己承認、寛容、喪失、希望もわかりやすく
描かれ、人間ドラマの側面にも注目したい。

ピーターの恋人グウェン(エマ・ストーン)は彼を応援しながら、
自身の人生も成功させようと行動する女性だ。
二人は大きな決断を迫られる。
ピーターの選択に現代の女性は拍手を送るだろう。
冒頭からすでにスパイダーマンは皆から愛され、街になじんでいる。
子供たちに声をかけ、困っている人を助ける日々。
それがうまくラストシーンに生かされている。

4月25日(金)より公開
2時間23分


Spider-Man and related characters and elements: TM & (C)2014 Marvel.

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神戸新聞夕刊「びびっとシネマ」
4月25日付け。
神戸新聞より掲載許諾済み。

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