BSスカパーで今日の後4:00より放送される、
「動くな、死ね、甦れ!」
は、とてもオススメです!

スカパー!シネマアワー THE PRIZE ~世界の映画祭から~ 『動くな、死ね、甦れ!』


ロシア映画です。
監督は、ヴィターリー・カネフスキー。
ずっと映画を撮らせてもらえず、
アレクセイ・ゲルマン監督に見出されて
(この監督はモノスゴイ人です。また別にご紹介します)
54歳で「動くな、死ね、甦れ!」を撮り、
カンヌ映画祭カメラ・ドール賞を受賞します。
これは新人監督に与えられる賞なのです。

次の作品、「ひとりで生きる」でも、
カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞。

さらに「ぼくら、20世紀の子供たち」という映画と、
ドキュメンタリー1本を撮りますが、
その御、忽然と姿を消してしまったのだそうです。

54歳でデビューして、新人賞をもらい、
数本だけ撮って、姿を消したわけです。
じつに不思議な経歴の監督です。

で、この「動くな、死ね、甦れ!」ですが、
何に驚くといって、
54歳で撮ったとは思えないほど、
じつに瑞々(みずみず)しく、
子供時代特有の心理を見事にとらえているのです。
こんなに子供時代の心をそのままに残した繊細な54歳が存在するとは、
本当に不思議な監督です。

家に戻れなくなり、
行き場を失った子供が主人公です。
その、自分だけでは生きられないのに、
どこにも行き場がない、という、
なんともいえない感じが、
これほど伝わってくる映画はなかなかありません。

かつてビデオは出ていたのですが、
すぐに廃盤で、
レンタル店でも置いてあるところはまれで、
なかなか観るのが難しい作品でした。

ところが、一昨年、なんとDVDボックスが発売にされました!
目を疑うとはこのことで、本当にびっくりしました。
とても商売になるとは思えませんから。
発売は、紀伊國屋書店。
本当に紀伊國屋書店 映像情報部には、足を向けて眠れません。
儲けを考えずに、こうやって頑張ってくれるところがあって、
はじめてこういう作品が残っていくのです。
映画好きの方は、ぜひ応援してあげてください。

ヴィターリー・カネフスキー DVD-BOX/パーヴェル・ナザーロフ,ディナーラ・ドルカーロワ
¥12,600
Amazon.co.jp

「動くな、死ね、甦れ!」
「ひとりで生きる」
「ぼくら、20世紀の子供たち」
の3作品が入っています。
「ひとりで生きる」と「ぼくら、20世紀の子供たち」は、
初ソフト化です。