「月光の在り処」稽古日記・6 |  ツチブログ - 好球筆打 -

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 「黒烏龍茶」「ヘルシア」を無駄に羅列してから、早や二週間。
 いやいや、時が経つのが本当に早い。稽古始めの頃は冷房を入れる際、暖房を入れてかなりのヒンシュクを買ったが(「稽古日記・1」より)今ではその暖房を入れることも当たり前のような気候の変化に驚いている。

 最近の二週間、日々の稽古はもちろんのこと、衣装や小道具の手配、一部のキャスト陣で国立競技場からお台場方面までのウォーキング、関係者への挨拶など、様々な動きがあった。

 同時に、減量宣言を声高に揚げた演出家・大西の動きもあったのだ。

 ひとつは、このブログで取り上げた「ヘルシア」を、なぜか翌日から取りやめたことだ。味に問題があったのか。炭酸がキツかったのか。値段に問題があったのか。不思議でしょうがない。正直な所、ハッキリとした理由が見つからない僕は今でも残念な思いをしている。
 
 もうひとつは、身体の強化を考えた“腹筋”を取り入れたことだ。
 稽古前のアップ代わりに足上げ腹筋。稽古中の役者に演出の視線を保ちながら、床で器用に腹筋。さらには、出演者の増田亜見ちゃんが真横で可愛い笑顔を見せながらオチャメに腹筋の真似事をしたとしても、その存在をあたかも無視するかの如く、脇目も振らず黙々と腹筋を強化する。

 こうと決めたことを、頑なに続ける男・大西弘記。ストイックな姿を行動のみでキャスト陣に伝える。集団で目的に向かう時はこれが本当に大事なのだ。しかし、本当に伝わったのは、その対比からより可愛く映える亜見ちゃんの無邪気な姿であったのも本当だ。

 本音を言えば、大西の頑なな姿勢は「ヘルシア」を飲み続ける姿でも見せて欲しかった。繰り返しになるが、今でもそれが非常に残念で仕方ない。逆にその妥協する姿で無性に腹が立ったぐらいだ。

 だが、最近になって別の光明を見た。それは演出席の足元にそっと、隠されているかのように置かれてあった「黒烏龍茶」を発見してしまったことだ。

 「黒烏龍茶」である。
 
 「黒烏龍茶」なのだ。

 …嬉しい。思わずリフレインする。こうと決めた男は、妥協の中にも続けている事があったことが素直に嬉しい。私の訴えが無駄ではなかったことも嬉しいのだ。

 腹筋も大切だが、私がもっとストイックに見たいのは「黒烏龍茶」をガブガブと飲み続ける姿だ。ガブガブと。ぜひ、その姿を語らずとも見せ続けてくれ。俺はその姿に付いて行く。

 兎にも角にも、残り二週間の稽古。期待と不安が交錯する。
 より飲み続け、より考え続け、より行動し続けるしかない。今は。

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