こんな質問をされたとしたら、あなたはどう答えますか?

「日本の人口が何人いるのか」と考える視座は、たくさんあります。

人口…それは、人数。

まず、統計局が全数調査(センサス)している人口動態表があります。これを見れば、数字で示されています。

でも…人は、今…この瞬間にも生まれ、この瞬間にも逝ってしまっているでしょう。
人口は、速度と同じように、留まることのない変化をしています。
いつの時点の人口…と規定しなければまず求められないでしょう。

見方を変えると、人はいつから人としてカウントするのでしょう。
予定より早く生まれても、遅く生まれても、生まれた瞬間から人としてカウントするのでしょうか。
受精卵は、人ではないのでしょうか。
受精後8週で中枢神経系は完成しますが、それでは人とは呼べないのでしょうか。

あるいは、身体の一部が癒合して、臓器を共有している双生児という人も存在します。この人たちは一人でしょうか、二人でしょうか。

一方、人はいつ死ぬのでしょうか。様々な生命維持装置をつけて、心臓が動いている、いや…たとえ心臓が動かなくても人工心肺を装着すれば、循環動態は保たれる。
心臓が動いていても、脳が機能しなくなった場合を脳死と宣告することもあります。

こうした問題を、いつから人としてカウントするのか、いつ死ぬのかを決めて、そして、何時何分何秒の人口を求めようとしても、どうやって本当にいる人数を数えられるのでしょう。

戸籍に名前があっても存在していない人。戸籍に名前のないまま産み落とされた人。不法入国している人、その子どもらなどなど…。戸籍で本当にいる人数は説明つかないでしょう。

「日本の人口は何人いるのだろう」という課題が出たら、こうした様々な視座で考える。これが学生の学習の醍醐味ではないでしょうか。

となりの人の答えを真似たり、引き出しの中のセンサスの数字を書けばいいのなら、そんな問題そのものが無意味ですよね。
そうした、様々な問題に大胆に目を瞑って、大胆に規定して数えた数…それがセンサスなのですから。

日本の本当の人口を知るにはどうしたらいいのか…考えたら気が遠くなるなる命題だと気づいてほしい課題です。







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