私の母は恋している
お相手は毎朝、散歩中に会う青年だ。
もう、かれこれ4年になると思う。
最初は母の方から声をかけた。
その時は、もう顔見知りになっていた。
「おはようございます」
この一言から始まった
まさかほんとに声をかけるとは..
母の度胸に私は驚いた
相手は会社へ行く途中。
ほんの一瞬だ。
でも、さわやかな笑顔で挨拶を返してくれた
内心、ホッとした私。
どうやら、いい人みたい..
それからは会話を2.3交わす程度。
なにしろ彼は出勤途中だ。
母は遠くても、直ぐ彼だと分かる。
そして近くまで来ると、止まって待っている。
彼はお忙しいのに、足を止めて話してくれる。
天気のことや洋服のこと。
時には、母の身体を気遣う言葉。
そばで見ている私は照れくさいが
ほんとに有り難いと思う。
母は病気療養中だが、それを励みに散歩に出かける。
もともとおしゃれさんだが、気がつくと洋服が増えている
可愛い女心
でも、ちょっと買いすぎじゃない?
桜が散る頃には引っ越しを予定している
それを意識してか、会いたい気持ちが増してるようだ。
隣の駅だから、会いたければいつでも連れていくよ、お母さん
最後までお読みいただき有り難うございます。