
高台に位置するこの部屋の最大の魅力は、カーテンのない窓の向こうに広がる圧倒的な自然の景色です。熊木さんはその眺めをインテリアの「借景」として取り込み、四季とともに暮らしています。
「引っ越してきた最初の春、目の前が一面ピンク色の絨毯みたいになっていて驚きました。全部桃の木だったんです」

春には山の落葉樹が鮮やかなグリーンへと変わり、冬には「八ヶ岳おろし」と呼ばれる猛烈な風が窓を揺らす。自然の厳しさも含めて、この環境を愛しているのだそう。
「春先から夏にかけては、朝6時くらいになると鳥のさえずりやツバメの声がものすごくうるさくて、それが天然のアラーム代わりになります(笑)」

「秋の夜長に肌寒さを感じながら、部屋の中でホットコーヒーを飲む。そんな『部屋の中にいながら外を感じる』ような感覚がとても贅沢に思えます」

隙間風が吹くアパートでも、好きな音楽をかけ、友人からもらったランプを灯し、季節の花を飾れば、そこはきっと世界一の秘密基地になる。この部屋の豊かさは、窓の外の景色ごと完成するのだと感じました。
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お名前(職業):熊木健二さん(フローリスト)
場所:山梨県
面積:1LDK
住宅形態:アパート
築年数:50年
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