取材撮影終わりにお茶や食事をごちそうになることがある。
季節や土地柄によるものもあり、ささやかな楽しみの1つだ。
そんな撮影後の食事で思い出に残っているのが、ルーフバルコニーでいただいたホットサンド。

そのお部屋に伺うのは2回目で、はじめて伺った時に
「ルーフバルコニーで友人を招いてBBQできるのが良いんですよ。」という話があり
キラキラした目で、うわぁめっちゃいいですねと反応したのを覚えていただいていたからだった。

自分が安っぽく聞こえるかもしれないが正直
「ルーフバルコニーで〇〇」という響きだけで正直テンションがあがる。
映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」とか「花束みたいな恋をした」とか
バルコニーやベランダというお部屋でありながら屋外を感じられる空間で読書や食事をすることにキラキラとした印象を受けるのだ。
それに加えて「ホットサンド」である。
毎回、キッチンの欲しいものランキング常連でありながら、数回使ったら飽きて使わなくなるのが怖くて買えない
ホットサンドメーカーでしかつくれない、あのホットサンドもまたキラキラした食べ物の1つである。

そうつまり、ルーフバルコニーでホットサンドは私にとってキラキラ×キラキラ
「ジブリに出てきたニシンのパイ」とか「モンスターハンターのこんがり肉」のような想像上のごちそうだった。
実際にその日は快晴で、朝から何も食べていない、空きっ腹の状態にビールを入れて作られる様子を眺めていたため
出来上がる頃には、ちょうど心地よく、視界もキラキラ(いやふわふわ)で一口。
美味しい・・・。ちょっと焦げ目の入ったパンがサクッと、中には新鮮な野菜がシャキシャキした食感に続き
トマトの酸味とハムの旨味、それらをマヨネーズがまろやかにリードして、まさに絶品。
春の暖かな気候と水辺からの風が心地良すぎて、ホテルのベッドのように、このパンとパンの間に包まれて眠れたらと本気で思った。



こんなに語るくらいだから、自分でも作ってみようとなるのではないかと(自分自身でも)思うのだけど
約1年が経った今、いまだにホットサンドメーカーはおろか、ホットサンド自体食べていない。
カフェや喫茶店で見かけることはあったが
「ここで食べたら憧れやあの時の感動が消えてしまうのではないか」と不安さえ感じてしまうほどになってしまった。
「いつかティファニーで朝食を」ならぬ「いつかホットサンドメーカーでホットサンド」を夢見ながら
今日も朝食は、オートミールにヨーグルトをぐりぐりと混ぜている。