1つ前の記事でも、備え付けの収納が少ないことの話がありましたが、家族の数だけ増えるのが衣類。孝枝さんは持つものの数を調整して整えていました。

「夫婦で雑貨店を経営しているということもあり、ものの数は他の住まいと比較して多いかもしれません。

ただ家のものも自分たちの洋服なども新しく購入したら何かを手放すようにしています。手放すときも捨てるのではなく、フリーマーケットや物々交換でシェアするようにしています」



愛着を持つと手放すことが難しい衣類は、数を決めて管理。
「洋服はハンガーの数を決めていて、それよりオーバーしたら、古いものや着る機会の少ないものから手放すようにしています。

私以上に、ドンさんはファッションが大好きで、帽子や服も多いんです。私が『これもう着ないんじゃない?』『これはもう他の人にあげようか』と言ったり、勝手に畳んでまとめたりすると、すごい嫌がられますね(笑)」



「人が持てるものって、一生の中で決まっている」と話す孝枝さん。ご自身の体験からも考えることがあったと話します。

「私の母が亡くなった後の遺品整理で、父が私たちに相談もなく処分をしてしまったことがありました。私としては引き取りたいものもあったのですが、父からすると見るのも辛いという気持ちがあってのことでした。

そのときに、ものってその人が使ったり、欲しかったりするから集めてるものなんだけど、その人がいなくなってしまったら、こんなに“ただのもの”になってしまうんだと虚しくなってしまって、改めて本当に必要なものだけで暮らそうと考えるようになりました」

いつか使うと思っているもののいつかは来ない。今必要なものだけを買うようにしていると話す孝枝さん。

2~3年使ってないものはもう使わないと考えて、日用品のストックも家の収納に入らない分は買わないと決めて生活しているそう。

「タイでは、スーパーで同じ商品を2つ買ったらマグカップなどの景品をプレゼントしてくれるキャンペーンなどもよくやっています。そうした販売に乗らず、必要以上に買わない、景品なども断って増やさないということは常に意識していますね」
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【取材先プロフィール(取材時)】
お名前(職業):孝枝さん(移動式雑貨店「iiddeeii(イーディー)」の雑貨デザイナー兼バイヤー)、ドンさん(フリーランスの通訳、翻訳家。iiddeeiiを孝枝さんと経営)、お子さん、猫
場所:タイ、バンコク
面積:120㎡、3LDK
築年数:築6年
住宅形態:戸建て
費用:タウンハウス購入費380万バーツ、リノベーション費用30万バーツ
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