「ガシャン!バタン!」


撮影中の物音に、思わず「機材が倒れた?」とヒヤリハットで後ろを向く。
視界には機材はもちろん、住まいのものも倒れていない。

シンプルで整ったお部屋には、そもそも倒れるような大きなものはないし
ものとものの感覚も空いているので、ぶつかったりもないのだ。

物音を聞いたのは家主も同じだが、驚きはなく、むしろ気まずさを見せる表情は、その原因を確実に理解していた。
犯人は押し入れ。とりあえず詰め込んだ荷物が中で崩れたようだった。
「こんな急に、色んなものを詰め込みやがって!」と言わんばかりのささやかな抵抗。

これは決して少数派ではなく、案外よくあるワンシーンで
「みなさん生活してるのに、どうやってあんなに綺麗にされてるんですか。」
という取材時のあるある質問の答えでもある。

2LDK以上の住まいの多くは、家族の人数にもよるが、収納部屋が一部屋あって、そこはたいてい取材時には開かずの間になっていることが多いのだ。

収納部屋については、取材時にもわざわざピックアップして話される方はいないが

個人的には、ゆとりのある生活には住まいづくりの大事なポイントだと思っている。
断捨離やものを持つ数を制限する(適量をもつ)ということの大切さはみんな知っているが、取り組むことが難しいことも事実。
自身と住まいと向き合いながら、お互い仲良く過ごせるお部屋づくりを僕も一緒になって考えたいとこうして書きながら思うわけである。

「ガシャン!バタン!」