こんにちは。坪田信貴です。
突然ですが、子どもの頃に「人に迷惑をかけてはいけない」と言われたことはありませんか?
あるいは、自分の子どもにそう言ったことはありませんか?
ただ、僕たちは、息を吸って二酸化炭素を排出するとか、ご飯を食べて汚物を排出するとか、
普通に生活しているだけで、人に迷惑をかけています。
なんだったら、そもそも「人」だけじゃなく、多くの生物が迷惑を思うようなことばかりしていません?
昔、映画で、人間というのは「地球から見れば」ウイルスみたいなものだというセリフがあって、本当にそうだよなと思いました。
そもそも
冷静に考えると、「人に迷惑をかけない」というのは、
「無理」ですよね。
「人に迷惑をかけるな」という言葉は、一見、とても大切なことのように思えますが、言い換えると「シネ」と言っているのと同じなんじゃないでしょうか。
いや、仮に死んだとしてもそれが迷惑になる人もいるでしょう。
さらに言えば、「人に迷惑をかけてはいけない」という言葉を吐いている人は、実際に他の人に迷惑をかけていないのでしょうか?
イエスキリストの言葉で、
「あなたたちの中で、罪を犯したことのないものだけが、この女に石を投げなさい」
というものがあります。
人間は、生きているだけで多くの人に、あるいは生物に、環境に迷惑をかけて生きています。
にも関わらず、「人に迷惑をかけてはいけないよ」という「教え」はそもそもが矛盾しているように思えませんか?
もっというと、それが定着することにより、「人に迷惑をかけてないからいいじゃないか?」という発想にもつながってきます。
重要なのは、「人に迷惑をかけないこと」ではなく、「より多くの人や生物、環境に貢献すること」ではないでしょうか。
親から子どもにかける言葉は、その人の思想(心)を作っていきます。
ウィリアムジェイムズという心理学者の著作から生まれたと言われる、
「心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる」
という格言があります。
「心」は、親の声がけによって築き上げられるものと言っても過言ではありません。
ちなみに、僕が学生時代に母親からかけられた言葉で印象深かったのは、
僕は免許証をとって初めて友人とドライブをしに行こうとした時の一言です。
「事故を起こしたら、絶対に逃げるな」
です。
それを聞いた友人が、「いや、そこは、事故を起こさないように気をつけなさいねじゃないんですか?」と言ったのですが、
母は、「人を引こうと思って事故を起こすことはない。たまたま起こるから事故なんだ。事故を起こさないようにしようと意識しても起こるときは起きる。起こさないようにしよう!と意識していて偶然起きてしまうと、人は動転する。そして逃げようとする。だけど、逃げたら人生は終わる。失敗することがダメなのではなく、一所懸命やっても運悪く失敗したときに逃げずに向き合うことが大切なんだ」
と言いました。
母は、女手一つで僕と妹を育ててくれましたが、このメンタリティを僕たち兄妹に植え付けてくれたことは本当に心から感謝しています。
また、お金がない中で、生活が苦しい中でも「親はいつか死ぬ。だけど教育は子子孫孫の財産として未来永劫残る。私はあなたにお金を残してあげることはできないよ。だけど、学びたいことがあったら学びなさい。そのお金は必死で出すから」と言って高校、大学と海外にいかせてくれました。
ちなみに、母は、自分が若い時に結婚したいと思っていた相手と別れさせられるために「出家」させられています。
(実家がお寺であることもあり、京都のお寺に修行にいかされるという・・・)
結婚を反対されて出家させられるって僕、初めて聞いたんですけど(笑)
そんなわけで、子どもには自由にさせたいと思ったそうです。
ちなみに、彼女はよく僕に「子育ては実験だ」と言っていました。僕には伸び伸びと自由に好き放題やらせて、
妹にはちゃんとしようと思ったそうです。(それはもちろん僕と妹の性格を考慮してのものでした)
(いや、僕にもちゃんとしてください!笑)
妹は現在整形外科医として頑張っていますし、僕と昨年起業しまして、社長にもなりました。
あと、印象に残っているのは、
僕が中学生になったときに、
「小学生まではある意味で動物と同じしつけ方。中学生からは話せば分かると思ってるから」
と言われたのも印象に残っています。
僕の祖母の旧家には、
戦隊ショーのサインが所狭しと貼ってあります。
(僕が幼稚園から小学生の頃に毎週のように「戦隊ショー」をみに連れて行ってくれていました)
僕が塾の先生になるときには、「教育の世界に入るのであれば、ルソーの「エミール」ぐらいは読んでおきなさい。ずっと勉強よ」と言われました。
ちなみに、先日、母が僕の次女の3歳の誕生日を祝いに来てくれたのですが、
僕がいないところで長女(6歳)が、「父上が私ぐらいのときにはどんな子どもだったの?」と聞いたそうでした。
そこで、「どんな風に答えたの?」と聞いたら、母が、「お父さんに教えてあげて!」と娘に促しました。
すると、
長女は、「足が速くて運動が上手だったって言ってた。あとよくお手伝いをしてくれて優しかった」と言ってたと
答えたので、「へー、そうなんだ〜」と満足していたら、
母が、「え? 勉強のことも言ったよね?」
と長女にいうと、
「勉強は……つまんない!」
と言いまして、
母が爆笑していました。「いやいや、お父さんは勉強も頑張ってたよ、よくできたよって言ったよね?」
というと、勉強があまり得意ではない長女は「ふーん」と言って目を逸らしていました(笑)
「勉強はつまんないって、君の感想だよね?!」(笑)
ま、スポーツは大好きだし、お友達とも仲良く遊んでるし、ダンスやお絵かきは大好きなんでね、
毎日楽しく伸び伸びと生きて行ってくれればいいですよ。
どうしても高校ぐらいになって大学行きたい!とかなったらね、そこは僕専門家ですしね(笑)
というわけで、
何が言いたいかというと、「大人の声の掛け方」で、子どもの思想=心が作られて行って、
大人になってからも大きな影響を受けるってことです。
で、じゃあどうしたらいいんだろう?
と思いますよね。
そんなみなさんに朗報です。
なんと2021年7月6日に
僕の新刊が出ます!(宣伝かーいっ!)
「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない 科学的に正しい子どもを伸ばす言葉・呪う言葉 (SB新書)
書影はまだ出来上がっておりませんが、予約開始です!
今初稿のゲラの赤入れ中(表現を変えたり、追加したり、削除したり、新しいエピソードを入れたり)なのですが、
改めて読むと、これがね……「あれ? 今まで当たり前だと思っていたことってなんなの?」
ということが満載です。
例えば、「お小遣い」の国際比較とかも載っています。
よろしければぜひ予約してみてください!
「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない 科学的に正しい子どもを伸ばす言葉・呪う言葉 (SB新書)