みなさんこんばんは。坪田信貴です。

 

今から僕がするのは、

 

少し、背筋が凍るお話です。

 

もし、自分の身に降ってかかったらと思ってぜひ想像しながら読んでみてください。

 

 

まずは背景から。

 

世は「出版不況」と言われています。

 

具体的にどれぐらい不況か?

 

 

「2017 出版指標 年報」より

 

…こういう状況です。

 

97年がピークで、約1.2兆円の売上高があったのが19年連続下落していて、2016年には8000億円を切っているという状況です。(約67%になっています)

 

金額がでかすぎて意味がわからないので、月収30万円だったのが約20万円になってしまった家計を想像してみてください。もともと月収20万円なら13万4千円になったという感じですね。

 

そりゃヒーヒー言うでしょう。しかも19年連続して下がっているんですから、じゃあ10年後にどうなってるんだろうね?っていうお先真っ暗な世界。

 

そこで出版業界は考えるわけですよ。「販売額が減ったなら、商品の数を増やせばいいんじゃね?」って。

 

 

まぁ、レストランの売り上げが減ったからってメニューを増やしたら売り上げが増えるか?っていう話です。

 

ちょっと頭悪いですよね。

 

でも、なぜか出版業界ではそうしているんですね。(まぁ短期的にはいろんなカラクリがあるんですけども)

 

レストランで考えればわかるんですが、メニューを増やしたら原材料やらの仕入れとか、調理人とかの準備とかも大変じゃないですか。で、それでも年々下がるわけです。

 

まぁこれぞ徒労

 

というやつですね。

 

上の表の右側の「文庫」のやつを見てもらえば分かります。

 

1450億ぐらいの売り上げがあったのが、1050億ぐらいになり(月収20万の人が14万5千円になるぐらいの感じです)、

新刊点数は5000点が8000点以上になっています。

 

簡単に言うと、

 

「月収は20万円が14.5万円になったのに、

仕事の量は1.6倍になった」

 

 

ということですね。

 

編集者の数がそんなに増えてるはずもないですし、今更出版業界に参入する会社が増えているはずもないですから、

この計算はあながち間違っていないはずです。

 

 

で、こういう状況になるとあることが生まれます。

 

それは「格差」。

 

 

人気の作品や作家の売り上げはドーンとあるけれど、そうじゃないものはびっくりするぐらい売れない。

 

 

事実、年間9万点ほど新刊が出る中で「ミリオンセラー」になるのは一点あるかどうか。

 

確率でいうと、よくて「0.001%」ということになりますね。

 

ちなみに「10万部以上」売れた本は約300点だそうです。

 

確率でいうと、「0.3%」ですね。

 

つまり、本を出しても10万部売れることは99.7%ありえません!

 

ということになります。

 

ちなみに、「重版」という最初に出した部数が結構売れてるので、さらにコピーする状態になる確率も20%程度と言われています。

 

 

逆に、8割の本は「重版せずに」終わるという風にも言えますよね。

 

 

本を出す人は、それなりに自分の事業やら何やらで実績がある人であったり、文章の訓練をしてきてイマジネーション溢れているので小説を書いたりする人なわけですよね。つまり、「本を出す」という時点で「誰もが出せるわけでなく、かなり選別された状態」なのですが、それでもその本の80%は、最初の時(初版)以外に一切コピーされずに、いわゆる「売れない」ままで消えていくわけです。

 

 

で、現実はどんな感じでしょう。


「商業出版」においては、

 

初版が3000部〜6000部。

重版が1000部〜2000部。

 

そして何度か重版をかけて1万部を超えたら「ヒット」と言って良いでしょう。

 

5万部になろうものなら「ベストセラー」と言われる部類になるのが今の出版業界です。

 

よくAmazonで1位とか言いますけど、あのカラクリはとても簡単で、

Amazonというのは要するに「日本で一番本が売れる本屋さん」です。(一店舗)

そこでリアルタイム(数時間ごとの)ランキングなのですから、本の購入をある一時期において集中してもらえば、その1店舗において「1位になる」ことはそんなに難しいことではありません。(実際、Amazonで何冊買ってくれれば色々プレゼントしますみたいなキャンペーンをやっている著者や出版社は五万とありますので、ほぼ意味がない指標と言って過言ではありません)

 

「Amazonで1位」になっても重版かかりませんでしたという本はザラにあります。

 

 

 

もう一度言います。

 

本が全く売れず、初版数千部で終わる確率が80%。

1万部でヒット、10万部になる確率が0.3%。

 

そんな厳しい今の業界の中で、

 

僕の新刊の「才能の正体」は、なんと

 

 

 

実質5万部でのスタートなのです。

 

すごくないですか?

 

 

さぁ、勘の良い読者の皆様は気づかれたと思います。「実質」ってなんやねんと。

 

もうちょっと正確に言いましょうか。

 

 

5万部刷りました。

 

しかし、2.5万部は流通しません。

 

もともと、初版が2.5万部だったのですがミスが発覚し、その初版で刷った全ての本を

裁断することになりました。

 

 

えーっと、この本の出版社は「幻冬舎」さんなんですがね、

 

幻冬舎の社長さんって誰かご存知ですか?

 

 

見城徹さんといいます。

 

 

ベストセラーやミリオンセラーを何冊も編集し、独立して出版社を立ち上げ、上場させて、さらにそれを非上場にさせるという

豪腕経営者ですよ。

 

 

 

 

実は、見城徹社長とは通っているジムが同じでして、ご挨拶させていただいたときにめちゃくちゃ優しく対応してくださいまして、

うちでも本を出してと言ってくださいました。

 

そういう背景もあり、今回、僕も初めて幻冬舎さんで本を出させてもらうことになり、敏腕編集者の袖山さんとともに作り上げさせてもらったんですが、

 

出来上がってみたら、

 

なかなかビックリするミスが発見されまして。

 

 

結果、出来上がった2.5万部が裁断されることになりました。

 

もう一度言います。

 

 

今の出版不況においては、2.5万部なんてすでに「ヒット」じゃないですか。

いや、「ツーベース」ぐらいですよ。

 

で、それを市場に出さずにいきなり裁断ですから、

 

 

例えるならば、

 

デビュー戦でマウンドに立ったらいきなりボークを連発して7点ぐらい取られた。

 

という状況です。

 

 

ちなみに、見城徹さんはこんな方です。

 

 

 

めっちゃため息ついていらっしゃったそうです。

 

やばい、出版業界で完全に干されてしまう。

 

いや、まぁ僕の立場はいいんですよ。

 

自分のミスですから。

 

全ての本の「文責」は著者にあるわけです。

 

誰のせいでもありません。

 

 

でもね、せっかく期待してもらってね、初版2.5万部なんて博打ですよ。今の時代。

 

こんなことができる出版社ってどれだけあるのよ?って話です。皆無ですよ。

 

だいたいみんな腰を引けたパンチを打つわけ。

 

 

で、案の定、全ての本屋さんにも回らないような初版部数で、広告も打たずに、売れたらラッキーみたいな戦法ですよ。

 

そんな中、「初版2.5万部」。

 

めちゃくちゃ期待されました。

 

 

僕もね、

 

編集者の袖山さんにいうてましたからね。

 

「袖山さんの編集者としての代表作になるようにします。伝説を作りましょう」

 

って。

 

 

まぁ、ある意味で、スタートから伝説になってしまいました。

 

 

ちなみに、どんなミスか、せっかくなので公開しましょう。

 

 

 

4回転半ジャンプも、50メートル走10秒切りもかつては「人類には無理」と言われていた。

 

という文章が数回出てきます。

 

 

えーっと、4回転半ジャンプは未だに誰もできてないし、50メートル走10秒って遅くね?

 

ということです。

 

しかもその章立ての直前には、

 

 

 

「”いつでももう遅い”後悔教育観」

 

 

なんて批判的に書いてますが、

 

 

初版2.5万部を裁断することになった今、「後悔しかない」ですからね。ええ。

 

 

 

というわけで、これをかなり肯定的に捉えたら、

 

 

「才能の正体」って初版5万部スタートじゃね?

 

ということなわけです。

 

わかりましたか?

 

 

なので、これはヤバイのです。

 

 

マジで頑張らないといけないんです。

 

吉本興業の社長も応援してくれてるんですよ。この本のために全国トークショーを一緒にやってくださるんですよ。

 

なのに、いきなりボークとかありえないでしょう。

 

マジでお願いします!!!!!!

 

本当に応援して欲しいのです。ぜひ購読してくださいませ。

 

 

そして、もし僕が近く不審死をしたら、

 

 

 

見城徹社長が容疑者になりかねないので、本当によろしくお願いいたします。

 

 

大ヒットして、ため息を笑顔に変えたい。。。。。。







追伸

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