【苕野(くさの)神社】 A.狛犬編

2011年3月11日に発生した東日本大震災により、地震と津波そして原発の被害を受けた浪江町。

浪江町の請戸漁港のすぐそばに鎮座する苕野神社(くさのじんじゃ)も、社殿がすべて流出し、宮司のご家族も犠牲となりました

その後、浪江は避難指示区域となり、6年の歳月が流れました
 
 
当初、祖父の狛犬は津波で流されてしまったと思いました
その後、どうやら祖父の狛犬らしきものがある、という情報が耳に👂
もしかしたら、どこかに保管されているかもしれないと思い、浪江町に問い合わせをしたところ・・・
浪江町教育委員会事務局 生涯学習係のS様からメールをいただきました
 
 
2019年11月現在は震災前の共同墓地に移動・集積されているそうです
S様は、仮置き場所にわざわざ何度も足を運んで確認し、私が訪ねた当日も車で誘導してくださったのです。感謝✨✨
 
 
 
 
見た瞬間、おじいちゃんの狛犬だ!と確信しました
平べったい鼻や口元に、祖父の狛犬の特徴が残っています
津波に流された狛犬は、摩耗しながらもこの地に戻ってきました
狛犬さんたち、どんなにか恐ろしかった事でしょう・・・
 
 
 
 
白河市横町 住 彫刻師 野田平業作 と読めます
 
こちらは体が分断されてしまった阿像
無念さを訴えているようなお顔に見えてしまいます(T_T)💧
 
 
祖父の狛犬の他にも、石碑、石柱の残骸が集められていました
遠くには福島第一原発が見えます
 
 
  
祖父の狛犬の横に、小さな狛犬が置かれていました
まだ表情も残っています
狛犬研究家のたくきよしみつさんによると、苕野神社(くさのじんじゃ)には大小2組の狛犬さんが鎮座していたそうです
こちらの可愛らしい狛犬さんを製作したのは、大和田吉治さんという石工さんです
 
 
   
(たくきよしみつさん撮影:掲載許可済)
大小2ペアの狛犬が鎮座しています
大きい方の狛犬は間違いなく祖父・野田平業作の狛犬です
在りし日の狛犬の姿を目にすると心が痛みます
 
 
 
 
いつか神社が復活した際に、祖父・野田平業の狛犬が再び台座に載ってほしい、という願いは、叶わぬ想いだと悟ります
せめて、震災の記憶を持つ狛犬として、神社の片隅に居場所を作って頂けたら・・・と、孫娘は願います
 
 
 
2019.11.12訪問