2008年のリーマンショック煽りを受けて日本国内の雇用環境が急激に悪化し、一時期は非正規労働者の首切りが社会問題にまで発展していた。
リーマンショック以降人材派遣業界に暗雲が漂っていたが、2012年頃からは好転している。
2013年も好調な業績を維持しており、業界の規模は1兆1895億円に到達した。
2009年から2014年の伸び率は、プラス2.8パーセントである。

国内景気の回復の兆しと共に、労働者の雇用環境の整備にも期待が寄せられている。
大手派遣会社38社に登録している非正規労働者の平均年齢は36歳、平均年収は486万円だ。
医療業界は世間一般の景気の影響をダイレクトに受ける危険性は低いため、正社員ではなくとも比較的安定的に働き続けることができる。

医療事務の現場では少人数の効率的な作業によってコストを抑えたいと考えている事業所が多いため、医療事務の半数を非正規労働者が占めている。
派遣社員の時給の相場は1000円から1300円、パートは700円から1300円だ。
レセプトの提出期限に相当している月末月初にスポット的に勤務する社員の時給は、800円から900円である。
求職者の資格や実務経験年数によっては相場よりも高めの給料が支給され、優遇されるケースが一般的だ。
そのため医療業界では、相応の資格や経験を有していれば、派遣社員やパートなどの雇用形態であっても高収入を獲得できる可能性がある。

短期派遣は1つの職場で働く期間が短いのが特徴であり、仕事内容もそう難しいものではなく、比較的すぐに業務に馴染めるというメリットがある。

そのわずかな期間に、いくつもの仕事を経験できる場合も多いことから自分の新しい能力を高めたり、自分に合った仕事を探したりする機会として活用する人もいる。
職場を転々とすることによって、仕事に対する変化を求める人、多くの人と新たに知り合えることを楽しむ人など目的は様々である。
そこに共通しているのは短期間だけ同じ現場にいられるメリットを活用している点だろう。
短い期間であるからこそ、人間関係において必要以上に気を遣わなくていいという魅力があるのも事実だ。

その一方で、中には短期派遣を利用しながら繰り返し更新する人もいる。
これは適職を探すために短期派遣を利用してきたという人に見られる傾向であり、短期派遣で自分に合った現場が見つかって長く働きたいと考えるようになったという事例が多い。

必ずしも更新が認められる訳ではないが、従事内容がその現場で日常的に必要になっていれば更新できることはよくある。
人手が足りていない現場であれば、短期派遣のスタッフでも長く働ける人材を求めている場合が多い。
更新の際に派遣期間を長く契約したり、紹介予定派遣に切り替えたりできる場合もあるため、長く働きたいと感じたのならば、派遣会社に相談してみるとよいだろう。
※短期派遣についてもっと詳しく知りたいなら、コチラのサイトも一読することをおすすめする。