幻想世界考察

幻想世界考察

ファンタジー系の詩や童話を書いています

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神話の荒野に吹く風 ーGreek Mythologyー

 

 

人と神とが別つ前の不確実な出来事

降り立つのは神なのか人なのか

 

感情のまま暴走する神々は人々を蔑む

愚かなのはどちらだろう?

 

神の啓示の意味すら曖昧な地軸の上で

争いと闘いが意思を持つ

 

執着と思念が絡みつく身体に

荒野の風がそれらを取り払おうと

暴れ狂う

 

揺るがない大地を踏み締め

飛びかかれ

 

前奏曲は終盤むかい

緩やかな平穏はおとずれるのか

 

神のみぞ知る結末は

神ですら作れない

 

時に受け継がれ

語られ

神話の意味は形成されていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不確実な雨予報

 

 

空を見上げ次の雨はいつなのかを考えていた。

 

僕には大切な日がある。

やっと君に逢える大切な日。

僕にとって特別な日。

その日が雨予報。

 

空の晴れやかさに似た君の笑顔を

太陽の光に重ねたかった。

 

今はこんなにも晴れた青い空なのに

僕の気持ちは沈んでしまった。

 

爽やかな南風は僕に言う。

不確実な事にとらわれないで

起きていない出来事に落胆しないで

空は気まぐれ。

 

予報は変わる

はずれることもある。

 

僕はまた空を見上げて

その日が晴れるよう祈ってみた。

 

青空は僕の心も包んでくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白き世界を想う〜Antarctica〜

 

 

誰もいない白い大地

空は青空

時として全てが真っ白になり

伸ばした自分の指先でさえも

見失う白き世界

 

背後には常に死が寄り添い

油断すれば死神は大鎌を振り上げて歓喜する

 

白き世界は美しい

誰の足跡もないまっさらな大地は

自分だけのもの

 

なんの音もしない

嘘のない静寂

それを壊すのは風のみ

 

オーロラは夜を彩り

白き世界に華を咲かせる

 

白き世界への憧れは

誰かの現実となり

今日も誰かが白き世界に降り立っている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雨に踊る

 

 

新しくした傘を持って

お気に入りの公園まで散歩

 

暖かな雨に

心は晴れやか

 

噴水の水で精霊がはしゃいでいる

陽気な声にこちらまで足取りが軽くなる

 

ダンスは苦手だけど

今だけは踊りたい

 

精霊の身軽さはないけど

新しい傘が手助けしてくれる

 

雨と噴水の水玉は地上に反射して

きらきら光って美しい

 

くるりと傘を回して跳ねると

精霊は笑って手を差し伸べる

 

誰もいない雨の公園は

小さな舞踏会となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬景色

 

 

見上げる夜空は白く霞む

空気の結晶が見えそうなくらいの寒さ

 

足元には秋を惜しむように

落ち葉が数枚、雪の間から音を立てる

 

月の影と星の輝き

流星は目にも鮮やかに空を流れる

プリズムの雪は宝石のような純粋さで空を讃える

 

世界の美しさを凝縮した冬のひととき