学校の給食って、子ども達にとって学びのチャンス
ですよね。
ちょっと考えてみて下さい。
1年の内、およそ200日の昼食を子ども達は学校で食べています。
最近よく言われる「食育」の面だけでなく、
特別支援学校等に通う子ども達にとっては、
「食べる力を育てる貴重な機会」でもあるのです。
ここで、つばめSpoon Projectが見学させて頂いた特別支援学校の給食をご紹介させて頂きます。
噛む力、送り込みや飲み込む力に合わせて5段階に分けられた給食が、わかりやすい表示と共に提供されています。
もちろん、食べる上での安全は最優先。
介助に当たられる先生方、調理に当たられる皆さんの尽力には感激です。
動画でご紹介させていただいた学校の他にも、特別支援学校はたくさんあります。
限られた時間やマンパワーや経費という現実的な背景の中で日々の給食には、様々な難しさがあるのも現実。
私たちの摂食嚥下ワークショップに寄せられる「給食に関する相談」も少なくありません。
*子ども達の力に沿った内容
*その日の調子に合わせた形状の微調節
*調理・摂食介助に当たる職員の摂食嚥下に関する知識や介助技術の浸透・・・。
そこでワークショップ(嚥下に関するお話会やセミナー)で親御さんから寄せられた給食に関する相談内容を、県議、市議のご紹介を経て教育委員会にお届けさせて頂く機会を得ることが出来ました。(2016年8月)
その上で、現時点で行われている職員研修や支援学校でのヒアリング会の状況等をお聴きすることも出来ました。
特別支援学校の支援の拡充に伴い、支援学校は学びと医療の複合した現場と言えます。
その任務に当たられる先生方の人事異動のタイミングは一般の学校の先生方と同じなのだそうです。
先生方が子ども達の障がい像、摂食および身辺に関わる様々な介助の方法、障がいに関する基礎知識を学ぶ機会や期間が充分とは言いがたいのでは・・・という思いも生じて来ます。ただ、その状況の中で、先生方は研修を受けておられるとのことでした。
特別支援学校にも言語聴覚士・看護師が任務にあたっています。外部の専門職者による観察助言の機会もあるとのこと。
こうして見ると、とても充実した取り組みがなされているように見えますよね。
でも、給食に関する相談が寄せられているのも事実。
私たちは親御さんが「学校には遠慮もあって直接伝えられない、でも伝えたい想い」を届けさせて頂きました。
その結果、某支援学校(注:動画の学校とは異なります)での給食参観やその後の懇談会にも参加させて頂くことが出来ました。
献立を担当される栄養士さんからのお話を伺い、こちらからご提供出来る情報をお伝えさせていただきました。(具体的には ミカン果物の果汁による咽せのリスクやミキサー食加工の加水による量の増加が招く嚥下の疲労に関することなどなど。)
一緒に参加された保護者さんからは「うちではミキサー食はこうやって作ってますよ〜」など、家庭でのアイデアも飛び出し、充実した懇談会となりました。
そしてその数ヶ月後、訪問させて頂いた学校での給食に少し変化が。
主食の種類がお子さんの状態に合わせて対応してもらえるようになったと、親御さんからお喜びの連絡を頂きました。
こんな嬉しいことはありません。
お役に立てた喜びをかみしめました。
学校でも、病院でもない、「家族との真ん中の立場」だからこそ、出来ることがある。
そう思えた瞬間でした。