

※こちらの作品は、「テニスの王子様」二次創作の
スパ小説となっております。
原作を知らなくても
ある程度ストーリーが分かるように構成しているつもりですが、
あらかじめご了承ください。
また、二次創作が苦手な方、原作のイメージを壊したくない方は
バックお願いします。
「まーた財前おらへんのか・・・」
四天宝寺中テニス部部長、白石蔵ノ介は、
力なくそう言い、ため息をついた。
「そーいえば最近おらんね。どうかしたと?」
「どーもこーも・・・・ただのサボりやろ。」
千歳に言われ、白石はがっくりとしてハァと再度ため息をつく。
ここのところ半月ほど、財前の部活出席率が異様に悪かった。
完全にサボることはないのだが、
完全にサボることはないのだが、
部活開始時間にいることはまれで、
いつも始まって30分か1時間くらい経ってから、フラッと現れるのだ。
いつも始まって30分か1時間くらい経ってから、フラッと現れるのだ。
「理由聞いても『別に何もないっすけど』とか言うしなぁ。
注意したんやけど・・・。
まぁ、あいつは一匹狼みたいところあるし、
まぁ、あいつは一匹狼みたいところあるし、
有る程度の個人行動にとやかく口出すつもりはあらへんけど、
部活サボられるんはちょっとなぁ・・・・」
部活サボられるんはちょっとなぁ・・・・」
そして、部活開始40分後。
「謙也ーっ!! いっくでぇっっ」
「おう! どんと来いやっ」
金太郎が謙也相手に乱打を始めた。
ここ最近、金太郎は謙也がお気に入りらしく、よく一緒に乱打している。
「・・・・おっ」
ふと、コートで乱打をしていた金太郎の視界にある人物が見え、
乱打している手を止めて大声で白石を呼んだ。
「しーらーいーしぃっ! 財前来たでぇっっ」
「・・・やっとか。」
「遠山・・・うるさいわ。」
「せやかて、白石が財前来たら呼べ、って言うてたんやもんっ」
コートの隅から隅まで聞こえるような大声で名前を呼ばれた財前は、
不機嫌そうに金太郎を見る。
しかし、ニカッと笑って金太郎は白石を指さす。
しかし、ニカッと笑って金太郎は白石を指さす。
すると、コートに取り残されていた謙也が金太郎を呼んだ。
「おーい、金ちゃん! 続きええんか~?」
「待って! 今行く!!」
その声に答え、金太郎はサッサとコートに戻っていった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
財前はその様子を無言でじっと見ている。
そして、入れ替わりにやってくる白石。
「財前。今日『も』どないしたん?」
「今日『も』何もないですわ。・・・・ほな、俺は練習に混ざります。」
白石の目も見ようとしない財前に、
白石は腕を組み、ため息をついて言った。
「・・・・財前。最近勝手が過ぎるで?
お前も部員、部の一員なんやから、部活の開始時間くらい守らんと。」
「・・・・・・・。次から気をつけます。」
「次から、次から、ってもう何度も聞いた気するんやけど・・・財前。
ちゃんとした理由があるなら言わんと、
ただの自分勝手って思われて終わりになってまうやろ?」
ただの自分勝手って思われて終わりになってまうやろ?」
「・・・・・・・もう行きますわ。」
「・・・・大した理由がないんなら、財前。次からは俺もほんまに怒るで?
で、大した理由だったとしてもせめて遅れる連絡くらいはしぃや。」
で、大した理由だったとしてもせめて遅れる連絡くらいはしぃや。」
「・・・・・・・・それじゃ。」
結局、ほとんど会話が成立しないまま、財前は行ってしまった。
「・・・・・・・・・・・ハァ。」
「一方通行、って感じやね。(苦笑)」
白石はまたまたため息をつき、
さりげなく聞いていた千歳はその様子を見て苦笑する。
さりげなく聞いていた千歳はその様子を見て苦笑する。
「いくら一匹狼言うても、
理由なく部活サボったりすることあらへんかったのになぁ、今まで・・・」
「部活中は変な様子なかけど、財前はクールやしね・・・・。
まぁ、もうちょこっと様子見た方がいいんじゃなか?
まぁ、もうちょこっと様子見た方がいいんじゃなか?
次はない、って言うたことやし。」
「ああ、せやな。」
そうして、白石も部活に戻った。
しかし、翌日も部活開始時間に財前の姿はなかった。
「まーたおらへんし・・・連絡もないし・・・」
「これは相当やね。(苦笑)」
ガックリきている白石に、千歳は苦笑しながら返す。
「探しに行きたいんやけど・・・
この後俺、週末の練習試合の打ち合わせ、オサムちゃんとせんと・・・」
「誰かに頼んだらよか。そうやね、財前やから・・・謙也にでも。」
「せやな。・・・謙也!」
白石は千歳の言葉に頷き、コートで金太郎と乱打中の謙也を呼んだ。
「ん? どないしたん?」
「練習中悪いんやけど、財前探しに行ってくれへん?
俺、オサムちゃんと打ち合わせあって、探しに行かれへんねん。」
「別にええけど・・・ 探して連れ戻せばええの?」
「ああ。それと・・・謙也にやったら話すかもしれへんな。
謙也、ここんとこ財前様子おかしいん気づいてるやろ?」
謙也、ここんとこ財前様子おかしいん気づいてるやろ?」
「あぁ、なんかサボり多いな。
光、個人行動多いけど、サボったりはせぇへんかったのに・・・」
「俺が理由聞いても『なんでもない』の一点張りでな。
聞いてみてくれへん?」
「あぁ・・・。分かった。ほな、行ってくるわ。」
謙也が校舎の方へ歩き出す。そこへ、最後に白石が付け加えた。
「あ、それから・・・財前に俺が『覚悟しときや』言うてたって伝言頼むわ。」
「こわっ・・・あぁ、分かった。」
「ほな、頼むわ。
それと謙也・・・お前、先輩なんやから財前に流されたらあかんで?」
財前と一緒にいることの多い謙也だが、
財前のクール&一匹狼っぷりに振り回されてる感がいつもある。
「平気やって。ちゃちゃっと見つけてくるわ。」
謙也は右手を挙げて軽く振ると、校舎の方へ駆けだしていった。
「ほんまに大丈夫やろか・・・」
白石の心配はしばらくたって、見事に現実となることになる・・・。