【2019年本屋大賞 大賞】そして、バトンは渡された
1,728円
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高校生・優子が主人公。
高校生活の女子同士のあれやこれやを描いていく
あさのあつこの小説みたいな展開なのかな、と思って読んでた。
いっしょに暮らしている父親のことを「お父さん」ではなく
名字で呼んでる。
あれ? と思いながらも読み進める。
現在の高校生の優子と
小学生・中学生の優子が
交互に出てきて、いずれ事情がわかる。
読み進めてしまうのは、
難しくない言葉で物語が語られているから。
高校生の頃を思い出して
自分にもいろいろあったなあと思ったから。
優子は、強いねっていわれるけど
自分の中で最優先事項がはっきりしてるとわかるから。
ラストシーンは、語り手が変わる。
見事だな、と思って読んた。
瀬尾まいこさんの文体は、軽やか。
主人公は、自分の生きる環境の中で精一杯を生きてる。
子どもは親についていくしかないから、
生きるために、強くなる。
誰だって、考えてないようにみえて考えてる。
最後の一行を読み終わったところで
泣けた。