ボルネオ島のツバメたち その1 | ツバメブログ

ボルネオ島のツバメたち その1

2008年2月19日~25日まで、マレーシアのサバ州でツバメを見てきました。マレーシアは、大きくはマレー半島とボルネオ島の北側(南側はインドネシア領)の二つの地域に分かれていて、ボルネオにあるサバ州とサラワク州は比較的開発が進んでおらず、車で何時間走っても町はまばらで、緑の森が続いています。少なくとも、今回私が通った道路沿いに限って言えばそういう風景でした。

サバ州の州都「コタキナバル」の名前を聞いたことのある方は少なくないかもしれません。成田からマレーシア航空の直行便があり、およそ5時間で行くことができます。今回の旅は、このコタキナバルから始まりました。

行きは直行便の切符が取れずに乗り継ぎをして深夜にコタキナバルに到着。翌朝、ツバメの越冬地として知られるケニンガウの町に出発しました。移動には、日本の旅行社で手配してもらったガイドさんの運転する車を使いました。
サバの地図


車はすぐにコタキナバルの町を走り抜け、窓の外には草の茂る空き地が広がり始めます。すると、ひらひらと舞う鳥の姿が。「あっ、ツバメだ!」と思いましたが、まだ交通量の多い道路でもあり、のっけからツバメ観察で粘るのも運転手さんに悪いと思って我慢しました。

やがて車は峠越えの登り道に差しかかり、そのあいだにも、ちらほら、ちらほら、ツバメらしき小鳥が視界を横切ります。そしてとうとう「ここで止まろう」と決めた場所は、山道の脇にあった建設現場の水たまりでした。ここならツバメは飛び去ってしまわずに、水たまりの上を行き来するはずだと思ったからです。

さてここからは、私のへなちょこ写真と共に、ボルネオのツバメたちを見ていきましょう。


池にいたツバメ

こんなふうな、工事で掘った場所に水が溜まった小さな池です。
そのとき、2008年2月20日午前11時30分。越冬地のツバメたちとのファーストコンタクトでした。

約10羽ほどのツバメが、水の上を行ったり来たりしていました。写真を撮ろうとがんばりましたが、どこにも止まってくれないので、なかなかうまく撮れません。しかし飛行する姿を双眼鏡で見ると、赤い喉と白いお腹をしていて、尾羽にも白いスポットの点々があり、ツバメに間違いありません。

水際に降りたところを狙って、やっと撮影成功。と思ったら・・・・・

はじめてリュウキュウツバメ

あれれ。ツバメとは少し色が違いますよ。
じつは私は初めて見たのですが、これが日本では南西諸島にだけ住んでいるリュウキュウツバメなのです。

喉の赤色とお腹の境に黒線がないこと、お腹がグレーがかっていること、それとこの写真では分かりませんが、下尾筒(かびとう、足の後から尾羽の付け根にかけての部分)に白黒のうろこ模様があること、などがリュウキュウツバメの特徴です。

どうやら、この水たまりではツバメとリュウキュウツバメが入り交じって飛んでいたようです。

文献で調べたところ、この地域には日本と同じように、ツバメ、リュウキュウツバメ、コシアカツバメ、イワツバメ、ショウドウツバメが暮らしているそうです。

ところで、この写真のリュウキュウツバメは泥を集めていますね。どんな場所で巣を作っているのでしょう?
答えは旅行記の後半でお教えしますので、お楽しみに。