つばめ紀行 新潟県上越市 雁木通りのツバメたち | ツバメブログ

つばめ紀行 新潟県上越市 雁木通りのツバメたち

連休はツバメ巡りの旅に行ってきました。

ひとつめの訪問地は新潟県上越市です。雪国の街並には、冬のあいだ通りを歩きやすくするために建物の屋根が歩道に張り出した雁木という造りがあります。上越市には昔ながらの雁木造りが多く残っていて、雁木の軒先に、たくさんのツバメが巣を作っています。


上越市1


上越市の雁木通りがどのくらいの範囲にあるのか分かりませんが、今回の旅では3~4kmの雁木通りを歩いてきました。ここは以前ご紹介した上越教育大の長谷川さん新井さん がツバメ調査をしている場所で、お二人は百以上の巣(ツバメのいない古巣も含めて)を毎日観察してまわって、到着日や産卵日、タマゴの数などをチェックしているそうです。大変な調査ですね。


上越市2
雁木の内側に作られた巣。

上越市3
昔は漬物用の大根を干すために使っていたという竿に留まっているツバメ。
うしろに見えるボール紙の箱は糞受けだと思います。


雁木通りの人たちはツバメに親切で、糞受けの板(上の写真のような箱はここだけでした)が付いた巣をたくさん見ました。

しかし雁木の街並があるのは昔からの商店街のため、郊外に大型店ができたり、交通手段が発達して新潟市まで買い物に行きやすくなった昨今では、商店主の皆さんの個人的な努力だけで雁木を維持していくことが難しくなってきているようです。

特に立派な造りの建物は上越市が買い取って保全しているそうですが、街並を全体として残していくのは難しく、家が建て直されると雁木がなくなってしまうことがあるため、雁木通りはだんだんと寸断されていっています。

私たちが夕飯を食べに入ったお店のご主人の話では、むかしは現在よりずっと多くの雁木通りがあり、しかも1軒おきくらいの密度でツバメが巣を作っていたそうです。きっと、ヒナが巣立つ時期にはすごい数のツバメが飛んでいたはずだと思うと、そのころにタイムスリップしてみたくなりました。

街の周囲の水田は減ってしまったそうですが、雁木通りのそばには川や水路、緑地、草の生えた空き地などが多くあって、ツバメのエサ場としては良好な環境が保たれているようで、そのことには安心しました。

上越市には雁木の街並みの他にも、きれいな小川や、たくさんの古い寺社、上杉謙信の春日山城跡などがあり、のんびりと散策が楽しめる街でした。

おまけ 雁木通りの側の用水路にあったカルガモの巣です。人や車が往来している道路のすぐそばですが、見事にカモフラージュしていました。左写真の○印でタマゴを抱いています。右がズームアップ。
上越市4   上越市5