今年のNHK大河ドラマ『天地人』(原作者:火坂雅志氏)の主人公が「義と愛の武将」直江兼続と決まったときから、直江兼続に関する本を何冊か読み漁りました。直江兼続の名前は知っていましたが、実際にどのような人物なのかはほとんど知りませんでした。直江兼続に関する本を読めば読むほど、その人物像に惹かれてしまいます。
直江兼続といえば、兜の前立に「愛」の一文字が有名ですが、およそ戦国の世に「愛」とは似つかわしくありません。しかし、この「愛」の文字こそが直江兼続をよく表しています。直江兼続は、主君である上杉景勝に生涯仕え、上杉謙信からは「義」の心を受け継ぎ、それに加えて自ら「愛」(民を深く憐れむ仁愛)の精神をもって民と接した人物だったのです。
ところで、このドラマに初音(はつね)という人物が登場します。1月25日放送分では、「初音は京の豪商播磨屋の娘で、織田信長の使者として屏風を上杉謙信に届けに来た」という設定でした。しかし、原作では、初音は真田一族(真田幸村の母違いの姉で、歩き巫女ノノウとして諸国を歩き回って情報を集める武田方の蝶者〈スパイ〉であり、兼続にも諸国の情報を提供していた)として描かれています。そして、信長側の人物ではなく、むしろ信長側の情報を探る立場として描かれ、ドラマでの人物設定に非常に違和感があります。ドラマが原作に脚色を加えることはあっても、こうも初音の人物設定が異なると、原作を離れた別の作品に感じてしまいます。
この件については、新聞報道によると、1月25日放送後NHKに対して視聴者からの抗議があったようですが、果たして今後も初音の人物設定は変わらないのでしょうか?(2月1日放送分でも初音の人物設定は同じでした)