語学学校の時の話。
私ね、ロシア系の人たちのことが比較的好きなんです。
特に仲が良かったのは、ロシアに何年も住んでいたというウクライナ人のリディア。それと、ロシア語も話せるというブルガリア人のビオレッタです。
彼女たちとの語学学校生活を通して、「ロシア人やウクライナ人と結婚する日本人って、わかるな~」って思いました。
ロシア系の人たちに対して、どういうイメージがありますか。
怖そうだなって思いません?
私もそうでしたし、それでだいたい合っています。
最初の印象としては。
最初は警戒し徐々に打ち解ける
ロシア系って文化的なもので、初対面の人に笑顔を見せたりフレンドリーに話すことってほとんどないみたいです。
自分は結構笑っていることが多いみたいで、ロシア系の方々には大抵「気持ち悪い」と最初は警戒されました。
こちらに害がないことが相手に伝わると仲良くなれるのですが、そうなるまでには時間が結構かかります。
実は、仲良しになってくれたクラスメートのリディアもそう言ってくれたことがありました。
言葉に気をつけてくれるので「気持ち悪い」とは言われませんでしたが、「妙な違和感」を感じたそうです。
ショックだったよ。でも好きだけど。
アプローチ法が逆?
これって、文化の差ですよね。
自分だったら最初はフレンドリーに話すけど、どこかで「ん?」と違和感を感じることが数回あったら、段々とフェードアウトしていってしまうかな。
一方、ロシアとかあの辺りの人たち(他にウクライナ、ブルガリアとか周辺諸国)はアプローチ法が反対みたいです。
相手が「犯罪者」や「スパイ」かもしれないしということで、最初は警戒して相手の様子をみて探ります。
そこに笑顔は一切なく、強い脅迫のようなトーンであれこれと尋ねてくるのです。
しかし、そうでありながらもマナーはあり、図々しいような質問をされるようなことはないので「おっ?いいかも♪」と思ったのが最初のキッカケでした。
明るい人たち
コミュニケーションを重ねて打ち解けていくと、彼らって冗談が好きで、底抜けに明るい人が多いことに気づきました。
滝沢カレンさんっているじゃないですか。
あんな感じの方は多い印象です。
トンチンカンな発言というわけではなく、何でも笑いに変えてしまう底抜けの明るさがあります。
英語のトーンが強いことに悩んでいる?
あと、母国語から英語のトーンも強くなりがちだということに、実は彼らって悩んでいるようです。
ロシア人のアレックスも面白い話が大好きですが、まさにそうでした。
ラテンの子が発言した内容に被せて冗談を言うつもりが、あまりにも強いトーンで発言してしまい、反対にクラス内がシーーンとなってしまうことが度々ありました。
その後「(強く言ってしまってひかせてしまって)ソーリー」と謝るアレックス。
そんなことがクラス内で定番になっていました。
これは彼だけではなく、リディアやビオレッタにも起こりました。
もしかすると共通の悩みなのかもしれません。
というのも、ランチ時に「あなたみたいな優しい英語の話し方を教えて」って言われたことがありました。
可愛くてたまらず、胸がキュルルンとなりましたね。
美女2人から「上目遣い」+「お願い」をされて、「きゃう♡」とテンションが上ってしまうのは男だけじゃあないんです。
君たち、マジ反則。何なの、この天才的な可愛さはっ!
笑いに厳しい?
一方、ロシア系の人が笑い取りに失敗すると、これまたロシア系からの厳しい視線が注がれることになるので、笑いのセンスが鍛えられるんだろうなぁってよく思いました。
休憩時間につまらない発言をしたことを反省して、よく頭を抱えていたロシア人男性のクラスメートがいたんです。
頭を抱えて・・・って、そんなロシア人想像できます?
なんだか健気でというか可愛らしくて、好意のようなものを抱きました。
下ネタはダメ!
そうそう、忘れちゃいけないのは、彼らにはタブートピックがあるということです。
それは「下ネタ」。
カナダ人とかラテン系の人たちはシモネタ話で笑いを取ることが好きですが、ロシア系の人の前で披露すると跡形もなく玉砕します。
先生の話が面白くて、自分もついうっかり笑ってしまったことがあったのですが、その時の私を見てきたリディアとビオレッタの冷ややかな視線は当分忘れられそうにありません。
下ネタは、カナダ人の中では会話に入れないとダメだけど、ロシア系の前ではよっぽど仲良しだけの女子会でもない限りタブーなようです。
文化もそれぞれに違いますね。面白いです。
ザ・ロシアな話:銃について
最後に、ザ・ロシア話を1つ。
ロシアでは、町でスタンガンの持ち歩きが許可されているそうです。
(地域によって差はあるかも)
学校で「カナダはそこまで銃社会ではない」という話が出た時に、ロシア系の人々がひどく反応していました。
私からすれば、カナダは銃社会です。
銃ライセンスはお金を払ったらすぐに取れるし、ライフルが家の金庫にあるだとか、アックス(斧)が車の後ろに載ってるみたいな話もちょくちょく聞きます。
他に、夫もたまに同僚からハンティングに誘われて戸惑っているのを知っているので、「銃社会だなぁ」という印象がありますが、アメリカと比べるとそこまでではないということでしょうか。
「狩猟目的以外の銃の携帯はダメ。基本的に家での使用もダメ。カラシニコフもダメだぞ。」という先生に、
おっとりした性格の可愛いリディアが言うんです。
「庭に住居侵入されたら、さすがに(撃って)良いでしょう?不法侵入だもんね?」と。
あどけなさの残る無垢な顔をしている彼女が、けがれのないまっすぐな目で聞くんですよ、これが。
同じく、仲良しのヴィオレッタも言いました。
「じゃあ、家屋の中は?子供がいるのよ。子供を誘拐するかもしれない。なら当然(撃って)良いよね?」
(青い目+金髪の幼児が連れ去られる事件が多発していました)
先生は困った様子で、チラッと私の方を見てきました。
カナダ人と日本人は常識観が結構似ているので、クラス内で詰んだ状況にある時は互いに助けを請うような目をするんです。笑
でも、リディアもヴィオレッタも仲良しちゃんなので、私はそれに気づきつつも頷いただけで黙っていました。
ごめん、先生。
先生は「それでも、相手が撃ってきそうな素振りを見せない限り、銃の使用はダメ」だという話をしました。
「じゃあ、じゃあさー?暗闇で誰かが入ってきました。それで、相手が手に持っているものが銃か何かわからなかったら?」とさらに質問を続けるロシア勢。
「正当防衛でしょう?」とリディア。
「えぇと・・・それはさすがに専門家じゃないから答えられないなあ・・」と非常に困った様子で小さくなっている先生。
「銃かと思ったらスマホだったとか?」とアレクシィ。
それまでに何度もやりとりが続いたこともあり、教室内がやっと笑いに包まれました。
一方、笑いつつも、カラシニコフってのが何かわからなくて、必死にググっていた私です。
人に優しくできる人たち
時折このように文化差を感じるロシア諸国の人々ですが、人々は暖かく笑いに溢れています。
熱心なクリスチャンが多いので、隣人に優しく、困っている人へは慈悲をみたいな考えがあるところも好きです。
家の問題で困っていた時、率先して手を差し伸べてくれたのはロシア系の人々でした。
お礼をしようにも「当然のことだからそんなのいらないわ」と口々に言ってくれた彼女たちです。
おわりに
おそロシアーなことも国では多いみたいですけど、ロシア系の人たちと知り合う機会があったら話をしてみることをおすすめしたいです。