サラリーマン仕事において、来期の事業計画案が大詰めを迎えて
います。
予算削減のターゲットは、私の担当するメンタル疾患休職社員の
復職支援業務。
私は復職支援業務と、その業務改善企画の2チームを兼務しており、
来期計画案は、通称事業仕訳会議においてことごとく仕訳されて
縮小されています。
そんな状況下で、予算を付けて貰えそうな案件は残り2つのうち1つ
のみとなりました。
先輩社員から、どちらを残すかどうかの意見を求められました。
①組織診断調査
組織ごとにメンタルを含む職場健康度を測定し、メンタルの発生
しやすい職場環境の改善と早期教育に活かす
②問題社員のアウトプレイスメント
NHKドラマの「君たちに明日はない 」のようなリストラ対象社員の
『再就職支援』
先輩社員は、当然私が選ぶであろう選択肢を期待していましたが、
私が迷うことなく間髪入れずに指さした案件は…
②問題社員のアウトプレイスメント
先輩社員の表情が少し歪みました。
私達チームは、就労意欲が無く、会社制度を利用して休職を繰り
返して正社員にしがみつく問題社員への対策として、『休職期間の
通算化』という社内規程を新たに作り、4月運用開始を目指して
経営会議へ提出していました。
メンタル疾患を理由に(本当はうつ病ではなく、問題を起こして職場
を混乱させる)繰り返し休職をしても、定められた通算休職期間に
達したら、自動解雇となります。
他社でもとっくに導入されている制度です。
見事に返品されました。
残念ながら、規程の趣旨を理解できる経営層がいない為です。
ただ、業績不振で、就労意欲のある社員や昨年の新入社員を
自宅待機させ、優秀な派遣社員の契約終了などの会社施策
との整合性を図る為には、返品された規程案以外の策を考えなけ
ればなりません。
そこで『アウトプレイスメント』です。
『通算化』がダメならば、次はこれで問題社員対応をしていく方向
を考えています。
TVドラマと違うところは、ドラマのリストラ対象社員は、会社の求める
パフォーマンスはともかく本人は就労意欲があります。私達が対象
としている社員は、就労意欲の無い人達です。就労意欲の無い
社員を、会社は雇用し続ける義務はありません。
解雇されたくなければ、きちんと毎日出社することが最低限の社員
の義務です。それすらできず、週休3~4日のペースでは、『正社員』
ではなく『アルバイト』の勤務実態です。勤怠不良の社員を、会社は
『正社員』として雇用する義務はありません。
企業は残す人材を選別しなければなりませんが、「人は財産」です。
就労意欲のある社員を、なんとか雇用し続けて欲しいと思っています。
同時に、就労意欲の無い社員は、その会社で働くこと以外の人生を
考えていただきたいと思います。
その為の『アウトプレイスメント』です。