――物語を始めた「音」の少女
おはようございます。
今回も『私立あかつき学園』のキャラクター紹介です。
今回紹介するのは
小河佑梨(おがわ ゆり)
私立あかつき学園、高校1年生。
黒髪のツインテールが特徴的な、小柄な女の子です。
そして彼女には、一つ突出したものがあります。
バイオリン。
年齢から考えても非常に高い演奏技術を持つ、天才肌のバイオリニストです。
ですが――
本人はスパイでもなければ、
戦えるわけでもありません。
特殊な使命を持って学園へ入ったわけでもありません。
バイオリンが大好きな高校一年生。
それが、小河佑梨です。
物語は、彼女の「音」から始まる
『私立あかつき学園 Part.1 絆を忘れたスパイ』。
この物語の最初の異変は、
銃声でも、
爆発でも、
スパイからの秘密指令でもありません。
バイオリンの音です。
放課後の学園。
水泳部の練習を終えた碧唯ひなたと土師京子が、廊下を歩いている。
すると、音楽室からバイオリンの音が聞こえてくる。
演奏していたのが、佑梨でした。
とても綺麗な音。
思わず聴き入ってしまう。
それなのに――ひなただけは、その音に何か引っかかるものを感じます。
「綺麗なのに、何かがおかしい」
そこから物語が少しずつ動き始めます。
ある意味、
小河佑梨のバイオリンが、
『私立あかつき学園』という物語の最初の扉を開いたとも言えます。
天才だけど、本人はとても普通
「天才バイオリニスト」
と書くと、
クールで近寄りがたい天才少女を想像するかもしれません。
でも佑梨は、かなり違います(笑)
明るい。
よく笑う。
よく喋る。
そして結構、勢いで動く。
音楽以外では、普通の一年生らしいところもかなりあります。
自分の才能を武器にして、人を見下すようなタイプでもありません。
むしろ本人にとっては
「バイオリンを弾くことが好きなだけ」
だからこそ、彼女は自分の演奏が周囲で何を起こしているのか、最初はほとんど知りません。
才能があることは、幸せなことなのか?
このキャラクターを書いていて面白いと思うところでもあります。
才能がある。
普通なら、それは良いことです。
本人も演奏することが好き。
先生にも期待される。
周囲からも評価される。
でも――
その才能を、本人とは別の目的で欲しがる人間がいたら?
『私立あかつき学園』では、そこから話が変わります。
佑梨自身は、
世界を変えようとも
何かの組織に協力しようとも
誰かと戦おうとも思っていません。
ただバイオリンを弾いているだけ。
なのに、その「音」に大人たちが別の価値を見つけてしまう。
結果として佑梨は、自分でも知らないまま、事件の中心へ近づいていきます。
だから、彼女は戦わない
以前『私立あかつき学園』では
無双もチートも最強もない
と書きました。
佑梨は、その世界観がかなり分かりやすく出ているキャラクターでもあります。
音楽では天才です。
でも、天才バイオリニストだからといって銃を持った敵と戦えるわけではありません。
危険な状況になれば怖い。
傷つくこともある。
逃げなければならないこともある。
誰かに助けてもらわなければならないこともある。
彼女の才能は、突然「戦闘能力」には変換されません。
バイオリンが上手いなら、最後までバイオリンが上手い。
それだけです。
私は、それでいいと思っています。
彼女を支える人
佑梨には、同じ吹奏楽部の先輩、
光明寺駿介(こうみょうじ しゅんすけ)
という人物がいます。
音楽を通じて佑梨と関わり、
物語の中でも彼女を支える大切な存在になっていきます。
ただ、この二人について詳しく書き始めると長くなりそうなので(笑)
光明寺駿介については、また別の機会に紹介したいと思います。
事件の中心。でも、主人公ではない
小河佑梨は、
主人公ではありません。
主人公は碧唯ひなた。
事件を追うのも、基本的にはひなたたちです。
でも――
物語の中心には、ずっと佑梨の「音」があります。
ひなたが最初に違和感を感じた音。
教師が注目した音。
大人たちが欲しがった音。
そして、本人にとってはただ大好きなバイオリンの音。
同じ「音」なのに、見る人によって意味がまったく違う。
そこが、小河佑梨というキャラクターの面白いところだと思っています。
戦えない。
スパイでもない。
事件を解決する主人公でもない。
でも彼女がいなければ、この物語は始まらなかった。
そんなキャラクターです。
『私立あかつき学園 絆を忘れたスパイ』。
最初に聞こえてくる、一人の少女のバイオリン。
そこから何が始まるのか。
小河佑梨というキャラクター、
少し気になりましたか?
「この子の話を読んでみたい」
と思っていただけたら、コメントをいただけると嬉しいです。
では、良い1日を!
