何回もテレビで観て、原作も読んでいるので怖くは感じることはないです。そして、横溝正史シリーズは、原作のままの時代設定なので、違和感を感じないですね。古谷一行さんの金田一さんもいいけど、加藤シゲアキさんの金田一さんもいい感じですね。今回は、寺島しのぶさんと小瀧望さんがいい演技をしてましたね。寺島さんって、怖ければ怖いほど魅力的になる女優さんだなぁ~って思う。昔、岡田准一さんと松本潤さんが出演した「東京タワー」を観た時も思った。松本潤さんを誘惑するシーンが、悪女を通りこして、完全に悪魔で迫ってくる。岡田准一さんが夢中になる黒木瞳さんよりも怖かった。それは、「悪魔の手毬唄」の犯人役にはぴったりだった。濡れ場でも、いやらしさがなくて納得できる。表情とか仕草が上手い。この主人公のように、自分の夫が、突然、詐欺師となって現れて、村の女性たちと関係を持って、子供ができていたら、そして、母親違いの子供と結婚するとなったら、その夫を殺してしまうかもしれないと思った。だから、小さい村とか町の中で、生きていることはよくないと思う。男も女も、他の町や県に行って、いろんな人と知り合わないと、こんな事件は起こりやすいかなぁ~と、横溝正史シリーズを観るたびに思う。よそ者を入れない。鎖国状態にしてしまうと、危ないと感じる。この犯人の息子も村から出ることもなく、母親と妹と暮らしているから、いろんな意味で、かわいそうだと思った。もっと、広い世界を見ないといけない。その青年を演じたのが、小瀧望さんだった。海名雄になりきった、小瀧さんだった。いつもの明るくておもしろくて、かわいい小瀧さんではなくて、村の青年そのものだった。生瀬勝久さんはいつものように、いやな感じの警部補でイラだつタイプがぴったり過ぎた。昔から、伝わる手毬唄に合わせて殺人事件が起こるけど、この時代の男って、どんなにおバカでも遊んでばかりいても、男の方が女よりも偉いから、常に、間違っていたとしても、それを尊重してしまう。誰も注意しない。既婚者の男が村の奥様たちと寝ていても、子供を産んでも気にしない。とんでもない時代だったなぁ~と思う。最後は、この犯人は自殺するけど、どうして、誰も気づかなかったのかと思ってしまう。プライドだけは高くて、小さな村だと誰にも相談できなくて、それでいて、襲われたら受けいれてしまう女性たち。こんな時代に生まれなくてよかったと思ってしまう。
富山県も、昔は鎖国状態的なところがあって転勤族を受けいれようとしなかったり、結婚相手は県内または市内でないと認めない。そんなところだった。今は違ってきたけど、高齢者の方でそう言うことを言う人はいます。これは、すぐにでもやめないといけないですね。いろんな文化を受けいれないと、危ない社会になりそうな気がする。