原作が漫画と知ってびっくりだけど、なかなか、おもしろかった。本当に、櫂直みたいな人がいたら、戦争はなかったかも知れないとさえ思った。海軍少将と造船中将に言いよられて、フラフラ揺れる、情けない海軍大臣。どう考えても、そんなに安く造れるはずがないと、また別の海軍中将と海軍少将が疑う。一般人が大変貧しくて苦しい生活をしているのに、この人たちは、ずいぶんと贅沢な暮らしをしていたと思うと、より憎らしく思えてくる。国民の税金で造られていたなんて、そして、アメリカの大きさに勝てるはずがないのに、ぶつかっていって、たくさんの若者が、このわがままなじいさんの軍人によって殺されたような気もした。予算をごまかされたと思った、山本五十六少将と永野修身中将は、本当の予算額を確かめるために、100年に1人の数学の天才の櫂直を海軍にスカウトして、本当の予算をたたき出す。まともに資料もないのに、櫂直は過去の軍艦や軍艦製造にかかわった人たちの協力で、軍艦の設計図を造り、それを元に本当の金額を計算する。美しいものを見ると測りたくなる。その性格が、とんでもない数式も難なく、計算してしまい、説明するが、金額をごまかした側の海軍中将は、わけのわからないことを言っては、話をなかったことにしようとする。ただただ、櫂直の数式も計算も理解できないから、そう言うことしか言えない。その愚かな海軍中将の手下は、マスゴミみたいなスクープを探してきて、それを言って、苦しめようとするが、かなりのバカなのか、こいつも数式も計算も理解できない。本当に、こんなバカな人が上司だったら、とっくの昔につぶれていたはず。その裏には、日本特有の賄賂や忖度がすべての軍や財閥などを優遇してしまう、仕組みがあるから、なんでもできたのかも知れない。多くの若者たちの夢を壊してしまった軍人たち。最後の最後まで、偉そうにしていた軍人たち。その裏側では、優秀な若者たちがこのじいさんたちの命令で、命を落とした。本当は、この汚い、お偉い軍人たちが先に命を落とすべきだったと思ってしまった。もともとは、寝させない、食べさせない、飲ませない。気合いで乗りきれ!と言って、まともに食料も水もない中で、病気でや衰弱で亡くなった方がほとんどなのに、やたらと大きな軍艦ばかり造って、それも狙われて海に沈められた。戦争の映画やドキュメンタリーを観るたびに、軍人たちにムカついてしまう。 
数学の先生になりたかったと言う、菅田将暉さん。数式を理解しただけあって、ものすごく、説得力があった。そして、それを理解できなくて、どうでもいいことを言うおじさんたちが恥ずかしかった。