以前にも放送されたけど、鹿児島市の知的障害者支援施設・しょうぶ学園のヌイ・プロジェクトの作品は、衝撃的だった。どうしたら、どうすれば、こんな作品が作れるのだろうか?はっきり言って、うらやましくて悔しかった。野間口桂介さんの刺しゅうシャツ。一日に五時間も刺しゅうをして、四年の歳月をかけてできあがった作品だ。カラフルで大胆で繊細な、複雑な作品。これが、装苑などのファッション雑誌にも取り上げられ、パリコレにも出たと聞いた。溝口ゆかりさんの刺しゅうオブジェ。何かわからない感じだけど、バッグやアクセサリーに変化すると、素晴らしさがわかってくる。これもどうやって、どうしたら、作れるのかわからない。でも、熱烈なファンの方が身につけている姿を見ると、違和感がない。すんなりとコーディネートされていて、びっくりした。最後の吉本篤史さんの刺しゅうインスタレーション。玉結びにこだわった結果が部屋を糸や布、そして、玉結びがひとつの世界を作り出していた。これも、どうして、こんなふうになるのかがわからない。理屈だけではできない。本人の才能はもちろん、まわりの人たちの指導や協力もあっての作品だと思うけど、想像がつかない世界観ができあがっている。少しでも、彼らの作品に負けない、作品を作りたいと思った。あの素晴らしい作品に、少しでも、近づきたい。そう思った。