警察無線や防犯カメラ、Nシステムなどに技術を提供している会社の名誉顧問が他殺体が、自宅で発見されることから始まる。解剖の結果、末期ガンで余命も少ないとわかる。なぜ、殺されたのか?寝具に風船の表面に使われる材料が付着していたり、折り鶴も残されていた。科捜研の呂太くんが女子中学生が公園で折り鶴がついた風船を拾った、というブログを見つける。その折り鶴に「あなたの命を奪ったのは私です。」と書いてあった。これが、今回の事件のキーワードだった。そして、これは何をさしているのかとなってくる。深い理由があった。戦争中に学徒動員として、風船爆弾製造をしていた。それはしなくてはいけない命令で、国からの強制的なことだった。ただ、風船爆弾のほとんどが失敗だったが、ひとつだけ、一般人が亡くなる事故があった。外で遊んでいた子供たちと教師が亡くなった。そのことが、殺された女性の心に影を落としたことになり、戦後70年を過ぎても悔やんでいた。平和を守る団体の集会にも参加して、平和の大切さを祈っていた。若い世代にも伝えようとしていたが、会社の社長が勧めていた仕事が自分の考えと違っていて、けんかすることもあったらしい。そして、ブログの折り鶴と部屋に残されていた、折り鶴の紙が同じだとわかって、その紙を売っている店の女性と会うことで事実がわかる。結局は、余命が少ないとわかった女性が親友だった女性に頼んだ、嘱託殺人だった。この犯人の紙を売っている店の女性と殺された女性は、科学者が嫌いと言うことも共通点だった。この二人は戦争中に経験した、風船爆弾製造が戦争に加担したことが心の傷となって残っていた。戦争はどうしても、有名な人とか偉かった人にばかり注目してしまうけど、いちばん最初に犠牲になって、いちばん犠牲者が多いのは一般人なのだ。と教えてくれているような気がした。戦争をメインにしなくても、こんな形でドラマにするのもいいと思う。戦争が終わっても、心の奥に傷を持ったまま生きている。戦後70年以上経っても、消えない傷がある。見えない傷がある。それが、ずっと、二人の女性の人生に影を落としていた。これが戦争と言うことだと思う。それを教えていかなければ、伝えていかなければと思った。
ちょっと、今回も切ないストーリーだった。こんな形で戦争の悲惨さや残虐さを知ることも必要だと思った。
ストーリーの概説に関しては、個人的見解です。