夏になると、必ず、戦争に関する番組を観たくなってくる。自分が知らない時代と言うのもあるけど、祖父母が頑張って生きていた時代であり、父や母が幼少期を過ごした時代。冷静に観なくてはと思うので、ドラマや映画は避けてきた。ドキュメンタリーが好きで、実写フィルムの番組を中心に観ている。そんな時に、二宮和也さんが主演した映画には新しい発見があって、びっくりすることもあった。
「硫黄島からの手紙」もよかったけど、この「母と暮らせば」は、一般市民の生活を描いていて、切なくなった。その頃は、映画館がすごく遠いところにあったので、DVDが発売されるのを待って買いました。DVDだったら、いつでも、ひとりで観られるから、泣いても大丈夫だからね。ここに登場する人たちが、みんな、いい人ばかり。優しい人ばかり。こんな人ばかりだったら、何もなくても元気にしあわせに暮らせるなぁ~と思ってしまう。長崎の原爆投下で被爆して亡くなってしまう息子とその息子と二人で暮らしていた助産婦の母親。そして、息子の恋人の町子。この三人が中心にストーリーが進むのだが、亡くなってから三年後に息子が母親の前に現れた時から始まる。
この二宮さんの自然な長崎弁と演技。かわいくて優しくて、守ってあげたくなるような吉永小百合さんの演技と表情。昭和時代にぴったりで、大人しいけどしっかりしているイメージの黒木華さんの演技。静かな感じの中に、それぞれの思いや感情が入りまじって、意外な方向に進んで行く。なんとも言えない状況なので、静かに涙が溢れてくる。こんなことは、起きてほしくないとも思う。いろいろと危ないことが世界のあちこちで起きているけど、戦争だけは絶対にしてはいけないと思った。大事な人や大事なものがなくなってしまうことなんだと思う。この夏、若い人たちに観てほしいと思っている。夏だからこそ、観てほしい。
ラストシーンは、本当に感動します。