目的と手段を車内広告から考える-セブン銀行の広告
たまにはマジメな記事も。
こんにちは。たすくです。
帰りの電車でこんな物を見ました。

セブン銀行の吊り広告です。
へー、すごい!!!
と思える純粋な方はどの程度いるのでしょうか。
僕は違和感しか感じないのです。
今日はこの広告を題材に、「目的と手段」について考えてみたいと思います。
■大きな数字に惑わされていないか
1年間で、5億5,500万件という数字はすごく大きく、立派なものだと思います。
ですが、あくまで「のべ」5億5,500万件の利用です。
1人の人が1回使ったらカウント1
1人の人が5回使ったらカウント5です。
この書き方だと、1人の人が1回で「残高照会」と「預け入れ」と「振り込み」をやったら、カウント3しているかもしれません。
皆さんは、月に、あるいは週に何回ぐらいATMを操作しますか?
それをイメージしてみると、さほどこの数字は大きくないのでは?とさえ思えてきます。
■意味のない数字と比較している
仮にこの数字が素晴らしいものだったとして、何故ヨーロッパの全人口と比較する必要があったのか。
・セブン銀行は日本のサービスである
・先の数字は「件数」、人口は「人数」である
この2点の理由で、比較が意味をなしていないと言えます。
にもかかわらず、まるでヨーロッパの全国民と同じ人数が、セブン銀行を使ったことがある、みたいな書き方。
「5億5,500万人の中にあなたがいると、うれしいな。」
の一文も相当な違和感を感じます。
5億5,500万人に含まれるのは、ヨーロッパの人達です。わたしはいません。
■「なんのために」この広告を作ったのか
では、そもそも、この広告は何を伝えたかったのでしょうか。
なんのために、こんな意味のない論点を生み出してしまったのでしょうか。
これは予想ですが、先に「5億5,500万件」というインパクトのある数値があり、
これを何かと比較したらいいのでは、という手段を考え、
それらしい数字を探してきて比較してしまったのでしょう。
ここがそもそもの失敗でした。
比較する数字は他にふさわしいものがあったかもしれないし、
伝えたい内容によっては、比較する必要すらなかったのかもしれないですよね。
■手段から考えると論理が破綻する
どんなことでもそうですが、課題解決の際に「手段」からスタートすると、
このような論理の破綻が起きる可能性が高いです。
破綻とまでいかず、一見上手くいっているように思えても、実は無駄があったり、
後々になって無理が生じたり、問題が起きたりします。
そうならないために、まずは「目的」を突き詰める努力をしましょう。
なんだかすごく、これは教訓だな、と感じることができる広告でした。
参考になった!という人は、ペタください!

こんにちは。たすくです。
帰りの電車でこんな物を見ました。

セブン銀行の吊り広告です。
問題:
セブン銀行のATMの1年間のご利用件数は5億5,500万件以上。
ヨーロッパの人口(EU加盟の27ヶ国)と比べると、
多い? 少ない?
正解:
セブン銀行ATMの利用件数の方が多い。5億5,500万人の中にあなたがいると、うれしいな。
へー、すごい!!!
と思える純粋な方はどの程度いるのでしょうか。
僕は違和感しか感じないのです。
今日はこの広告を題材に、「目的と手段」について考えてみたいと思います。
■大きな数字に惑わされていないか
1年間で、5億5,500万件という数字はすごく大きく、立派なものだと思います。
ですが、あくまで「のべ」5億5,500万件の利用です。
1人の人が1回使ったらカウント1
1人の人が5回使ったらカウント5です。
この書き方だと、1人の人が1回で「残高照会」と「預け入れ」と「振り込み」をやったら、カウント3しているかもしれません。
皆さんは、月に、あるいは週に何回ぐらいATMを操作しますか?
それをイメージしてみると、さほどこの数字は大きくないのでは?とさえ思えてきます。
■意味のない数字と比較している
仮にこの数字が素晴らしいものだったとして、何故ヨーロッパの全人口と比較する必要があったのか。
・セブン銀行は日本のサービスである
・先の数字は「件数」、人口は「人数」である
この2点の理由で、比較が意味をなしていないと言えます。
にもかかわらず、まるでヨーロッパの全国民と同じ人数が、セブン銀行を使ったことがある、みたいな書き方。
「5億5,500万人の中にあなたがいると、うれしいな。」
の一文も相当な違和感を感じます。
5億5,500万人に含まれるのは、ヨーロッパの人達です。わたしはいません。
■「なんのために」この広告を作ったのか
では、そもそも、この広告は何を伝えたかったのでしょうか。
なんのために、こんな意味のない論点を生み出してしまったのでしょうか。
これは予想ですが、先に「5億5,500万件」というインパクトのある数値があり、
これを何かと比較したらいいのでは、という手段を考え、
それらしい数字を探してきて比較してしまったのでしょう。
ここがそもそもの失敗でした。
比較する数字は他にふさわしいものがあったかもしれないし、
伝えたい内容によっては、比較する必要すらなかったのかもしれないですよね。
■手段から考えると論理が破綻する
どんなことでもそうですが、課題解決の際に「手段」からスタートすると、
このような論理の破綻が起きる可能性が高いです。
破綻とまでいかず、一見上手くいっているように思えても、実は無駄があったり、
後々になって無理が生じたり、問題が起きたりします。
そうならないために、まずは「目的」を突き詰める努力をしましょう。
なんだかすごく、これは教訓だな、と感じることができる広告でした。
参考になった!という人は、ペタください!
