長野県信濃美術館に行った際、本命の東山魁夷館のついでに、企画展も見てきました。

$日々のこと

「大正ロマン 昭和モダン展」、副題は竹久夢二・高畠華宵とその時代です。

竹久夢二の美人画が掛け軸に設えてあるのが珍しい気がしました。日本画という認識がなかったので。他に夢二の作品としては雑誌の表紙や絵葉書など。パネルを読んでると、この人は本当にろくでもないなぁと夢二にうんざり…。たまきと別居してから子供ができてるし、彦乃と出会ってからもたまきと子供できてるし、たまきと房総に旅行に行ったのに宿の近くに住んでいたお島さんに目移りしてるし、お葉と所帯を持ったのに浮気して愛想つかされてるし。最期の時に肉親はおらず一人で死んだのは気の毒だけどさもありなん。パネルにはたまきとは性格が合わなかったからうまくいかなかったのはしょうがない、といったことが書いてあったけど、夢二のしたことは色々ひどくないか?芸術家に常識とか通じないんだろうけどさ。

房総のお島さんはお島さんの父がさっさと嫁にやったから不幸は免れたみたいで良かった。夢二とどうこうなるよりかは絶対幸せになったと思われ。でもこれに着想を得た宵待草がヒットしたりして転んでもただでは起きない夢二‥。

高畠華宵はよく知らない…。雑誌の付録の出世すごろくの内容が面白くて、やりたくなった。中原淳一や知らないイラストレーターの作品も色々。


あと、本館小展示室でひっそりと開催されていた「西郷孤月 没後100年展」が地味に面白かった。橋本雅邦門下で横山大観、下村観山、菱田春草と共に四天王とされていたけれども挫折して病没した人らしい。どれくらい期待されていたかというと、雅邦の娘と結婚したくらい。媒酌人は岡倉天心。でもこの結婚がうまくいかなかったのが転落の一因かも?大成せずに知名度もない彼の作品をなぜ持っているのかというと、長野県出身だから。没後100年でこのような展示をしてくれるなんて郷土というのは温かいものだなーと思いました。
大観、春草と合作した絵なんかもあってなかなか興味深かったです。