ひどい雨だった。
霧がかかって、下の街やバスに乗っているときに見えるその向こうの海も今日は見えなかった。ふと空が光ったかと思うと遠くで雷鳴が轟いていた。
バスを待っているだけでスニーカーがぐしょぐしょ。黒いスニーカーだから目立たなくてよかった。
高校の時によく聴いていたアルバムがあって、年中どこにいてもそればっかり聴いていたから、今聴こうとすると高校のことを思い出すから嫌いになった。
駅から図書館、学校までの往復。駅で電車を待つ間。人が怖くてうまく呼吸ができない夜。騒音から逃れるためのよすが。恋。
帰りのバス停は高校のすぐ横。そこの高校生も利用していて、放課後と時間がかぶると辺りは高校生で溢れている。その様子が駅で電車を待っていた頃と重なって嫌だった。
呼吸が浅くなる。耳を覆いたくなる。思わず俯く。
自分なりに決別したいと思っているのにこれじゃできない。
夏も嫌い。
高校の時好きな季節だったから。