東海道本線の吉原から岳南江尾 ( えのお ) まで全長9.2キロの岳南電車は、元京王線の5000形と井の頭線の3000形が走っています。
元3000形は中間電動車に運転台を設置したもので、両運転台と片運転台があります。顔は3000形の先頭車とほぼ同じで一見中間車を改造したものとは見えません。両運は井の頭線時代にはなかったモノなのでユニークなスタイルです。
元5000形は富士急で走っていた2両編成を譲り受けたもので、塗色を変更したぐらいでほとんど富士急時代のまま、セミクロスシートもそのままです。
岳南電車は路線は短いですが、すべての駅から富士山が見えるのが売りで、そのほか化学工場のすぐ傍を走ることから工場夜景を売り物にした「夜景電車」「ナイトビュープレミアムトレイン」を運行しています。
かつては製紙工場などの貨物輸送が経営の柱でしたが、トラック輸送に転換となり 2012年に貨物列車は廃止となりました。貨物輸送全盛当時に活躍した電気機関車が4両「がくてつ機関車ひろば」(岳南富士岡駅に隣接) にて保存されていて、運転台見学やパンタ上げ下げ、前照灯点灯などを体験できます。
貨物輸送廃止後は、旅客輸送を如何に増やすかが岳南電車の存亡のカギを握っており、上述の「夜景電車」や「機関車ひろば」以外にも電車運転体験やパーク&ライドなど様々なイベントで盛り上げを図っています。
朝夕の通勤•通学ピーク時には、大都会のラッシュ並みの満員電車もあり、地域に根付いた. 一所懸命さがにじみ出ている鉄道です。