長万部から倶知安、小樽を経由して札幌に至る函館本線は函館本線山線とも呼ばれ、かつては急行「ていね」や「ニセコ」のC62重連で多くの鉄道ファンを熱狂させた超有名路線です。
【羊蹄山の麓を行く長万部行きH100 単行列車】
しかし現在では普通列車のみの運行。長万部-倶知安間は 1日4往復半でほとんどが単行( 1両 )といういう寂しさです。
既に、地域間輸送という観点では完全に主役の座は道路輸送に奪われており、世界的スキーリゾートのニセコを訪れる国内外からの観光客は大多数が新千歳空港や札幌からバスや車でやって来ます。
【ニセコ駅を発車するキハ150形。( 2019年7月 )観光地でも利用者者が少ないから、こんな単行列車でまかなえてしまう。】
鉄道が存在感を示しているのは、かろうじて 仁木 & 余市と小樽間の通勤•通学輸送のみといった状況です。
【余市駅を出発して小樽へ向かうH100 2連】
そんな中、北海道新幹線は2030年過ぎには札幌開業といわれ、長万部の先の駅は倶知安、新小樽、札幌 ( 駅名は仮称 ) で、開業後は函館本線山線は長万部-小樽間は廃線になることが決まりました。
【2019年7月の倶知安駅。今は新幹線工事で大きく様変わりしている】
【2022年8月 ほぼ同じ位置から。列車は左側に見えている仮ホームで発着。】
【倶知安駅仮ホーム。( 2022年8月 ) 仮ホームと言っても、このまま廃線になるまで約10年間 使用されるのだろうか?】
上述した通り、余市-小樽間以外は利用客は少なく、余市-小樽間も並行バス路線の方が本数は多いので、廃線直後は多少の不便は感じても中長期的にはバス輸送が定着するでしょう。ただ、余市-小樽間の通勤•通学輸送は短時間に利用客が集中するので、バスでさばき切れるのだろうか?? という懸念は残ります。
【C62重連の撮影名所も、あと10年程で廃線となる】
沿線の景色は素晴らしいし、のんびりローカル鉄道旅は貴重な自分時間を楽しめるので、撮り鉄、乗り鉄、もうひとつ飲み鉄. としては、寂しいかぎりです。しかし地域間輸送に根付いた鉄道の役割が終わったら、存続は極めて困難•••という現実は認めざるを得ません。