第1話 スワップカメラ
「…きろ………すけ…起…ろ」
「ん…朝か…」
「『「ん…朝か…」』じゃない!今何時だと思ってるんじゃ!!」
目を覚ますと俺の目の前には白衣を着たじーさんがいた。
…まぁ俺『田中涼介』のジジイなんだがな。
なんで白衣を着ているのか、それはじきに分かるだろう。
「今日は日曜だし寝かせてくれよ」
「駄目じゃ。今日はこの天才発明家『田中清蔵』にとって記念すべき日となるのじゃ。お前にも早く教えたいからのう。さっさと起きろ。」
それだけのために起こしたのかよ…(ちなみに今はまだ朝の7時だ。日曜くらい寝坊させてくれ!!)まったく子供だな
今聞いた通りうちのジジイは“自称”天才発明家なのである。
確かにジジイの発明はすごいがトラブルばかり起こしているのも事実だ。
両親はジジイの発明品による金で起業、今は海外に住んでる。なんで俺が日本にいるかというとジジイの金を使う代わりらしい。オイッ親父!子供を担保にすんな!
まぁ今回は何も起こらないことを祈る…
「あからさまに嫌そうな顔をしているな。まぁお前にモニターを頼むことにしたからとろしくな。なかなか楽しめると思うぞ。」
嫌な予感しかしない…
時計は8時を回りジジイとともに朝飯をとる
「天気もいいしでかけよっかな~」
「待て!これがさっき言っていた発明品じゃ」
ジジイの左手は俺の首に、右手にはデジタルカメラが握られていた。
「これはな、『スワップカメラ』と言うんじゃ」
そう言いながら俺にレンズを向けるじじい…シャッターボタンにかけられた人差し指がゆっくり動いた。
!!
条件反射でピースをしてしまったがこれは普通のカメラではなく、じじいの発明品だったことを思い出し、俺は体を確認した。
「…なんともない?」
予想に反して俺の体には全く異常は見当たらなかった。
「ここからがこのカメラの能力じゃ」
そう言ったじじいはレンズを自分に向けて、シャッターを切った。
再び部屋に光が溢れた
光が消え、前を見るとじじいがいた場所には俺と同じくらいの年齢の男が立っていた。
「お前誰だよ!どこから入ってきた!」
言ったあと俺は違和感に気づいた、なんで俺は白衣なんて着てるんだ…?
目の前の男もよく見てみると俺に似ているような気がする。
「そろそろ気づいたか?この身体はお前のもんじゃ。そして今のお前の身体はわしのものになっている。」
そういって男は鏡を渡してきた。
確かにこのハゲ頭…白い髭…ジジイのものだ。
「驚いただろう。このカメラは人と人の身体を入れ替えることができるんじゃ!がはは」
「いいから戻せ!」
俺はジジイに右ストレートを食らわせた…はずだった。
ジジイは俺のパンチを避けニヤニヤしていた。
「いつものようにはいかないさ。運動能力も入れ替わっているからな。」
なるほどな。運動能力は体に依存しているからそれも入れ替わるのか。
「わしも忙しいからな。元に戻すぞ。」
先ほどと同じように自分と俺にシャッターを切る。
「戻った…」
自分の手を見てみるとしわしわなものではなく若く、ハリのあるものになっていた。
「このカメラは大気中にある『入れ替わり粒子』を集め、任意に使用することができる装置じゃ。入れ替わり粒子はモノとモノのあらゆるパラメーターを入れ替えることができるんじゃが効力は偶発的にしか発揮されないんじゃ。階段から落ちた人間同士が入れ替わったのはこの粒子が階段に吸収されてたまたま効力が発揮されたから、雷で感電して入れ替わるのは雷にこの粒子が吸収されたからなんじゃ。そしてこれはお前にやろう。さっきも言ったようにわしは忙しいからな。いろいろ試してデータを集めてくれ。」
こうして俺は“スワップカメラ”を手に入れた。
…試しに明日学校で使ってみるか
ちなみにその日俺は一日中じじいの大演説会(…)に付き合うはめになった。
第1話終わり