先日久方ぶりに耳鼻科へ通院した(その様子はhttps://ameblo.jp/tschdshtr/entry-12436917990.html)私だが、この日は何と床屋にも通っていた。大の理髪店嫌いにしてお洒落センス皆無の男が自ら進んで床屋に行くとは何事か、明日は雨や雪どころでなく槍が降るかもしれない、と疑われるのも致し方ない。端的に理由を挙げれば、近頃前髪が鬱陶しいと思っていた矢先に行きつけの床屋の近くまで訪れたからである。つまりは偶然、たまたま、魔が差したからに過ぎない。
目の前の男を大学4年生の次期社会人と知らず子供のようにタメ口で接する接客業失格の男に適当に髪の長さを伝える。後は目を閉じながら成り行きに任せた。しばらくしてから、頭がスッキリした状態で「これでいい?」と訊かれる。何となく名状し難い違和感が纏わり付いており「これでよくない」と言いたくなるが、かといって何処が良くないのか具体的な指摘も困難な上、散髪とは不可逆的な作業故に素人が口を出すのも烏滸がましい。プロに一任して口を噤む。
すると流れるように眉やら顔やらを剃られ、シャワー台へと運ばれる。普段は節制のためにシャンプーは断っているが、この日は後にも用事を控えていたため、珍しくシャンプーを受けることにした。だが、これが仇となった。温水を頭頂部から浴び、その後はドライヤーを掛けられ、後は何か細かなサービスを受けて散髪は終了する。会計を済ませ外に出ると後頭部を爽やかな風が吹き抜けた。尋常ではない寒さである。温水シャワーやドライヤーによって暖められた熱が頭髪に守られることなくグングンと奪われているのだろう。まるで頭に清涼剤を振り掛けられたような寒さである。これはお洒落どころか洒落にもならない。一瞬の気の迷いで髪を切ったことに酷く後悔させられた。
その翌日も寒さは頭から訪れる。加えて、耳鼻科から薬を処方されたにもかかわらず鼻がぐずつく。更にはくしゃみまで出るときた。鼻水にくしゃみ。そう、風邪である。まだ喉は無事なので軽度の風邪と見たが、髪を切って風邪を引くとは如何なる因果関係か。前代未聞の風邪に冷たい頭が痛くなる。二度と冬に髪は切らぬ。越冬のためにはお洒落やら視界を犠牲にするべきだと強く決心させられた。