この度、某ロックバンドのボーカルがエッセイ本を出版することを記念したサイン会に参加することが決定した。それも、我がアルバイト先にて行われるサイン会だ。当日はバイトではなく一人の客として参加することになる。何千何万(か否かは定かではない)という応募の中から抽選という名の試練を潜り抜けて勝ち取ったサイン会である。SNSを探れば落選の嘆きが想像以上に阿鼻叫喚と溢れていたことからその競争倍率はある程度想像が付くだろう。そんな人々の嘆きに満ち溢れたタイムラインに私は「当選しました! やったぜ!」と人々のヘイトを一身に集めかねない投稿をしたのだった。
そんな喜びに心躍らせる夜、一つの通知が届いた。それはバイトの後輩からのメッセージだった。「サイン会おめでとうございます」と。彼は私のSNSのアカウントを知らないはずだ。にもかかわらず何処からか私が当選したことが漏れている。これは由々しき事態ではあるまいか? 思わず情報源を問いただすと、当選者名簿を覗き見たとあっさり吐露される。良かった。我がSNSが知らぬところで知れ渡っているわけではなさそうだ。これでひとまず安心だ。
いや待て、これはプライバシーの観点から見ると由々しき問題なのではないか? 書店員が身内のものとはいえ易々と個人情報を覗き見するのは大きな問題だろう。時と場合によっては然るべき処罰を受けることも考えられる。この問題を放置してなるものか。
まあ、身内なのでいいか。世の中事なかれ主義が一番である。ちなみにその後輩もまた落選した一人だったという。我が個人情報を覗き見た罰は、落選した哀れな子羊を散々に煽り散らすことで帳消しとした。勝者たるもの些細なことで怒りを見せたりはしない。これが勝者の余裕というものだ。私はついている。
勝利の美酒に酔いしれながらこのブログを記した。