半年以上前から計画していた今回の離島旅。

年に一度もらえる長期休暇を使って、心の地図を少し南へ広げる。

出発直前に台風発生のニュースが入った。

「予定通りに行かないのも旅の醍醐味」と、少しだけ笑う。

まだ夜明けの薄い光の中、家を出て真岡ICから北関東道へ。茨城空港11時発、那覇経由で石垣島へ向かう。

フライトは昼どき。お腹がすくだろうから、少し遅めのモーニングにした。

那覇での乗り継ぎは約2時間。航空会社が違うため、荷物の受け取りと再チェックインが必要だ。

実質、自由時間は1時間ほど。

那覇空港でサッと食べるなら、やっぱりエンダー（A&W）だろう。

「朝マック」と「エンダー」――その食べ比べをしたいだけの理由で、朝マックを選んだ。

茨城空港近くに店舗がないので、途中の友部町で“朝マック”となった。

食べ終え、ナビを再設定すると常磐道経由のルートが表示された。

初めての道。見慣れない景色。それもまた旅の一部だと思えた。

空港で荷物を預け、デッキでお茶を飲みながら飛行機を眺める。

定刻通りの離陸。

3時間の空の旅の途中、雲の切れ間から顔を出した富士山が、美しく静かに見えた。

幸先のいいスタートだ。

那覇空港に着き、荷物を受け取ってANAカウンターへ。

自動チェックインと荷物預けをスムーズに終えて、ようやくほっとする。

「エンダー、行こう。」

ルートビアの独特の香りに、沖縄に来た実感がじんわりと湧いた。

搭乗までの間に買った大東寿司は、沖縄旅の定番。

そして再び空の上へ。およそ1時間のフライトで、2年ぶりの石垣島に到着。

ロビーに掲げられた「おーりとーり」の文字。

懐かしくて、少し胸が温かくなる。

路線バスに乗ってホテルへ。荷を解き、シャワーを浴び、翌日の準備を整える。

夜の街へ出たものの、初日の疲れもあり、近くの居酒屋に腰を落ち着けた。

生ビールはなく、オリオンの瓶ビールを一口。喉を通る冷たさに、南の夜を感じる。

メニューは揚げ物中心で少し迷ったが、最後はフライドポテトを頼んだ。

沖縄の人はよくケチャップをつけて食べる。

だから今日は、沖縄の人になったつもりで楽しんだ。

部屋に戻り、天気と波の予報を確認してからベッドに沈む。

こうして、旅の1日目が静かに終わった。

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旅の始まり – 那覇から石垣へ