経験論とイギリス

→前提として、イギリスは多くの戦争や革命(ノルマン・コンクエスト、マグナカルタ、百年戦争、バラ戦争、国教会、清教徒革命、名誉革命などなど)を経験している。それをもとに、普遍的な概念を考える思想が発展した。

※法のあり方にも違いがあり、成文憲法がなく、「マグナカルタ(1215)」「権利の章典」などがあり、裁判の判例が総合でなされ、それによって一定の基準が作られている。

 

それに対してフランスは

→周りを大きな国に囲まれているため、百年戦争、ユグノー戦争、アンシャンレジームと絶えない。真実がコロコロ変わるので、それを普遍性にはできない。よって、「合理主義」が発達する。

※人権宣言をもとにして、「本来の政治はこうあるべきだ」というある種の理想論を掲げたものとなる。

 

(1)イギリス経験論

①フランシス・ベーコン(ロジャー・ベーコンとは別人)

・ジェームズ一世に仕える

・「知は力なり」

・経験的知識を持てば、自然も支配できる

・『学問の進歩』『新機関論』(ノウル・オルガヌム)

②ロック

・市民政府二論

・魂は半紙のようなもので(タブラ・ラサ)、それに経験を加えることによって成長する

③ヒューム

・感覚器官に基づいて経験は構築される

・デカルトと対立

(2)ドイツ観念論

大陸理性論とイギリス経験論を併せ持ったもの

①カント

・ドイツ最大の哲学者

・車に引かれそうな子供がいた、それを助けるのは経験ではなく理性

・お湯がある、それに手を入れると熱いだろう、だからやめよう、これは経験

→つまり、理性も経験もともに必要

・『純性理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』

・『永遠平和のために』…国際連盟のもと

②フィヒテ

・カントの弟子

・「ドイツ国民に告ぐ」という演説でナショナリズムを高揚

・ベルリン大学初代総長(作ったのは地理学者フンボルトの兄)

③ヘーゲル

・ドイツ観念論の大成者

・『精神現象学』

・「弁証法」

へーゲルが例に出しているのが以下。

「花」⇒自分を否定して「実」になる(テーゼからアンチテーゼ)

「人間」→自分を否定して「非人間」になる

でもそれじゃまずいので、さらに高次の存在になる。(ジンテーゼ。高次の存在になるためにいったん止まることをアウフヘーベン「止揚」というが、よくわからん)

※受験生は勉強をします。すると普通はどんどん発展していき、「大学生」になります。受験生であることのアンチテーゼが「大学生」です。

でも大学生になれない人は四月からまた受験生です。これが「輪廻」です(仏教用語です)

 

【法学】

①グロティウス

・『国際法の父』

・『海洋自由論』『戦争と平和の法』・・・三十年戦争の時期

・自然法を国際法として確定した

※歴史上最強の天才。16歳でオランダの外交使節としてフランスへ。ゲーテのIQは250とされる(金田一少年が180)が、グロティウスは285ともいわれている

 

【啓蒙思想】

①ヴォルテール

・『哲学書簡』の作者

・フリードリヒ二世に招かれてサンスーシ宮殿へ

・マキャベリが嫌い。『反マキャベリ論』という本も出し、君主は国民の第一のしもべでなければならない、という言葉もある。

②ルソー

・フランス人のイメージがあるが、生まれはスイスのジュネーブ。

・『社会契約論』

・人民主権論者

・『エミール』…倫理でも頻出。「子ども」の発見

 

【歴史書】

5C…アウグスティヌス「神の国」

13C…トマス・アクィナス「神学大全」

18C…ディドロ・ダランベール「百科全書」

ディドロはエカチェリーナ2世に招かれて講演をしている。