いつも通り、リンクはここからです。
だいたい20分というところでしょうか。
歴史が得意な人は半分でもいけると思います。
法政大学は野球の名門。
法学部を取り上げました。大問は4つ。古代、中世、近世、近代としっかり分割され、
いい復習の題材となっています。
2016年はセンターのような、会話文が取り上げられていました。
問1 A~Fに語群を入れる問題です。Aは「藤原元命」から即座に「尾張…ノ」を選択。988年も知っていて欲しいですし、資料にも一度目を通してほしいです。ちょっと過激ですがここがわかりやすいと思います。Bはいわゆる「四等官」を聞く問題で、「カミ・スケ・ジョウ・サカン」のうち国司ですので「オ…守」ですね。なお、国司は守・介・掾・目の漢字をあて、郡司は大領・少領・主政・主帳をあてます。
あと入試では大宰府ですかね。帥・大弐/少弐・大監/少監・大典/少典をあてます。
しかし、副官である権帥(ごんのそち)こそ難関では覚えるべきで、このキーワードから導かれるのは菅原道真と藤原隆家しかいませんが、実は阿保親王(在原業平の父)や藤原行成(世尊寺流の祖。『権記』が有名な三蹟のひとり)もなっています。
Cは「地方の特産物」というキーワードから「調…ソ」を答えます。
Dは、最初の□では判断がつきません。「い」のあとにある「Dが置かれ馬が準備されました」から「駅…イ」と判断できれば上等です。もともと駅は馬が置かれていたのでうまへんなのですね。
Eは「班田農民と同じく」という言葉から「テ…口分田」を答えます。選択肢の残りには答えになりそうなものが「神田」「職田」くらいしかないので、答をしぼれてほしい問題です。Fはやや難、というか悪問。「元命に狙い撃ちされた…」というキーワードから、「ト…田堵」が分かれば…というところです。難しい。なお、田堵は名(名田)を耕し、官物(稲など)や臨時雑役(雑徭由来)をおさめる農民のことです。平安中期から存在しました。
問2 aは易。書けるようにもしておいてください。「ノ…受領」です。「実際に任国へ赴いた」がキーワード。行かないのは「遥任国司」で、かわりに行ったのが「目代」。bは郡司百姓らが誰に訴えるか、ですが、当時裁判事務を担当していたのは「イ…太政官」です。cは最初の□ではなく、次の「その利息」という言葉から「キ…出挙」を導きます。なお、賃祖は土地そのものを借りたものです。dは「稲でおさめる」なので「ケ…租」。これは易。eは調と並ぶ中央の重要財源ですから「コ…庸」が入ります。fはやや難。庸は「傭兵」という言葉の語源にもなったように「働く」ことによって代替することができますが、17歳以下の若者には働けません。よって「ス…中男(少丁)」が答えです。なお、61-65才の老人を「老丁」といいます。租庸調・雑徭のうち、「なし」が入るのは少丁の庸だけです。gは易。七道ともうひとつですので「エ…畿内(五畿)」が入ります。山背・大和・摂津・河内・和泉です。関西の受験生では間違いようがない5つなのですが、関東の受験生にはつらいかも。西大和学園とか摂津本山とか、河内長野とか地名に密着していますから…。なお、「七道」も頻出で、「西海道…九州」「山陰道」「山陽道」「南海道…四国と和歌山」「北陸道」「東山道」「東海道」です。教科書の表紙の裏に地図がありますので、私大を受ける人は絶対にチェックしておくこと。
★山陽道の西の端は?→長門 東の端は?→播磨
南海道の東の端は?→紀伊
東山道の西の端は?→近江
★東海道の東の端は?→常陸 西の端は?→伊勢
hについて、賃租したときの利息なので「シ…地子(じし)」が入ります。用語集にはありますが教科書にはないので、厳しいですね。やや難。iは「乗田と同じように…」というキーワードから「サ…賃租」が入ります。jには「大宰府と都を結ぶ」から「ア…山陽道」ですね。
最後のkは徴税単位ですので「ツ…名」 になります。とにかく人物単位で納めさせていたものから、人物が逃散などで逃げるので「土地単位」に変えました。
問3は全部難しい!「あ」は用語集にはありますが、教科書にはありません。国司の任期は「エ…6年」です。郡司は終身制。また「い」の駅家の区間は約15kmと「山川出版社」のP47にはありますが、一里が約533.5mであることを知らないと、「ク…30里」であることを見抜けません。これもかなり難。なお、距離としての「里」は時代によって変わり、現在は約3kmが1里です。
問4 人物にではなく、土地に税をかける体制を示す言葉ですね。この言葉そのものは教科書にはありませんが、「山川」P79に「負名」という言葉が見受けられますので、これを使って「負名体制」とするのが正解と考えられます。東大文学部の坂上教授が史學雑誌(研究室にいたときよく読まされた読んだなあ…)に「負名体制の成立」という論文を書かれています。
目標は多く見積もって7割、苦手な人も半分は取ってほしいです。