2022年3月
ポップな内装の中華式串焼き店があると知り、御徒町の九年食班へ。
90年代を懐かしむのがコンセプトのようで、店内にはカセットテープや古い雑貨類が置かれていて、90年代に青春を謳歌していた中国人には懐かしさ満載だし、若い人にはレトロっぽくってかわいいと思えるんだと思う。
かく言う私も90年代半ばに呼和浩特市郊外と廣州市郊外に住んでいたのだけれど、田舎でこんなイケてる場所なぞなかったせいか、私には懐かしさは微塵もなく…orz。
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さて、お料理。
メインは串焼き(撸串)。
自分で焼くものと
焼いて出してくれるものがあった。
個人的には、海鮮の味付けはお醤油だけがいいな。
帆立とか牡蠣とか栄螺とか、大量のニンニクと大量の唐辛子で味付けされちゃうと、何食べてるんだかわらなくなってしまうので。
これが、中国沿岸の海鮮の食べ方なら、致し方ないのだけれど。
(遠い記憶を掘り起こしてみたら、大量の唐辛子をまぶしたイカ焼きを青島で食べたことがあるので、大量の唐辛子とニンニクは中国ではわりとオーソドックスな食べ方なんだと思う。そのときは、青島ビールの生ビールをビニール袋で飲んだんだった。唐辛子で真っ赤かなイカ焼きもビニール袋で飲む生ビールもそれはそれでおいしかったんだけど、きっと青島の気持ち良い海岸で食べたからだと思う。)
私たちは頼まなかったけど、四角いフライパンのようなもので供される「戳子肉」というお料理がある。
お店に入ってすぐのこちらのショーケースに食材が入ってる。
娘は、哈爾濱啤酒。
私は安定の王老吉。
辛いものが多いので、王老吉が必要。
私たちが入店したときは、ずっと五月天のカラオケが流れてて、帰るころはずっと周杰倫だった。
これは、「倔強」だけど、
台湾語の歌も流れていて、「志明與春嬌」が流れたとき、娘、完全耳コピで、私より流暢に歌い(←他にお客さんがいようが、歌いたければ歌っても全然平気なところが日本のお店じゃない)、夫に「ツマは2年も教室に通って2年も個人レッスンを受けていたのに、L(←娘)の方が全然台湾語ができるとはどういうことだ?」とバカにされる(泣)。
「我心中尚未崩壞的地方」が流れたとき、娘に「この曲、日本の小説のタイトルから取ってるんだよね」と話したら、「知らない。誰のなんていう小説?」と聞かれ、作者の名前が出て来ない。「我心中尚未崩壞的地方」を「私の心の中のまだ壊れていない部分」(←直訳すぎ)と訳して検索するも、わからず。帰宅後、ゆっくり検索し、白石一文の『僕のなかの壊れていない部分』と判明。
あー、日本の小説なのねと当時思っただけで、読んでなかったわ…。
だって、歌詞、重いし、阿信が絞り出すように歌うMVを見てると、小説も重くて暗そうで、読もうと思わなかったのよね…。
最近は、五月天をまったく聞いてなかったんだけど、久しぶりに聞くと、やっぱりいいなと思った。
メニューがテスト用紙になってるの。
店員さんは体育のジャージみたいだし、中国の学校みたいなんだろうなぁ。
中国で2年も学校に通ってたのに、この懐かしさを共有できないのは残念だ。
お支払いは、現金の他は、銀聯・支付宝・微信支付。
(PayPayとSuica・PASMOは使えるみたい。)
入店して席に案内されるとき、「日本人」と中国語で店員間に伝達されたくらい、ここ、日本じゃないです。
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ショップカードの下の方の4つの単語を調べてみた。
この中で、唯一知っていたのは「脱口秀」のみ。
撸串と戳子肉は、メニューを見てなんとなくどんなものかはわかったけど、8090は調べたけどよくわからなかった。
ご存じの方は、ご一報ください。
・撸串:串焼き肉。東北地方の方言。特に春の食べ物とされている。
・戳子肉:山東省青島市百年李村で発生したとされる焼肉。肉その他をバットのような形の容器に入れて焼く。
・8090:8090東北泥爐燒烤のことか?
・泥爐:七輪みたいなもの
・8090:80後&90後
・脱口秀:トークショー。中国では、時間を決めてコントなどを披露する「脱口秀餐廳」があるらしい。