土曜の夕方からオフィス街にあるメイドBARに来ている2人は歯科医のケロとその医院に勤めるスタッフのゆっこ
沖縄病の医院長のケロは沖縄風に名前を伸ばして、ゆーきーと呼ぶことに沖縄らしさを感じて喜ぶ重度の病状にある
沖縄に嵌ってからは人の地域による違いについても自分なりの考えを持つ様になって、日本も広いんだなと思える様になっている
メイド殺人事件は仲の良いメイドに何か書いてくれと頼まれてやっつけ仕事で書いた物だから、真面目に読まれると困る
タイトルからして馬鹿げてるが、大きなお友達の集う夢の国に相応しくない殺人事件がここ、メイド喫茶マリアイーリス
愛称マリアイに起きている
現在進行形だ
犯人はこの中に居る!
超短編だから、仕方がないとご理解頂けると有難い
メイド喫茶という夢の国には様々な人は集わない
お店によって多少の色分けがあるが、メイド喫茶に勤める女の子はほぼ似ているし、客も同じ色がある
キャバクラとの最大の違いはお互いに攻撃系のスペックを持たないことだから、やたらと和む雰囲気があるのがメイド喫茶の良さと言える
派手なコールもないし、泥酔してグラスを落とす客は見ない
女の子も客と手を繋いだり、太ももにふわりと手を添えてアピールしても来ないで、せいぜい画面を見る為に肩を寄せ合う程度のことだ
お気に入りのメイドが他の客とそんなことをしているのを見て、男性客の首を切りつけたい妄想に浸る私の方が余程危ない
しかしそれは荒ぶる自分を妄想してわろてるだけの自家発電でしかないので、実社会での危険性はなく、三次元世界では自分を正義の味方と吹聴する態度こそ危険度は高い
そんな正義の味方は要らないと、鉄拳なら絵で説明してくれそうだ
メイド喫茶あるあるはあるのかね?
ああ、また考えるネタが増えてしまった
メイド喫茶に集う人々は脳内では本当におしゃべりさんだね
戻ろう…
何にでも業界の色があって、人の棲み分けは自然と行われるものだから、妄想だけで実行には移さない人々の集うメイド喫茶に殺人事件なんて起きる確率は極めて低いことが分かる…分かるのでメイド喫茶殺人事件なんてタイトルのラノベも無い
だが、現に今この私、元歯科医の梅田鉄次ことケロさまの目の前にメイドさんが寝ている
2度と目を覚まさない感じで、寝ている
メイドの名は、マム…萌と書いてマムだ
北海道の留萌を捩って名付けたそうだ
ケロさまと呼ぶのは自称ではなく、助手のゆーきーだ
ゆーきーとは仕事を辞めた後もたまに会っては遊んでいる
勿論、裸を見たことがあるが彼女でもないなんて今時の若者にはいくらでもあることなんだろう
男は女の生き方の邪魔をしてはいけない
今は早く警察の取り調べを終えて解放されたいものだと二人で囁きあっていた
警察到着前に、ケロは医師ではないが簡単な死体の状態は確認しているのをゆーきーに説明しているが、死因は恐らく窒息死だ
毒殺の様な苦しみ方をして死んでいったのを何度も思い返してみる
未だ一言も台詞が無いのは、警察とメイド喫茶に居る人間の会話に興味が無いからで、ゆーきーとはずっと手を繋いでるから全神経がそこに集められて…集めていたいからだ
それにこの私、ケロさまには犯人が既に分かってるからに他ならない
いやいや、ケロさまは名探偵でも、優れた推理小説マニアでもなく、ただの歯科治療のプロなだけであり、その身に宿る高い霊力を使った訳でもない
正確には多分、ちょっとは使われてるかも知れないんだが、そんな生まれつきの能力の使用に自覚はいつもないからよく分からない
メイドのマムちゃんの死因が毒殺だと思い浮かぶ理由は、経験があるからだ
ケロは歯科医ではあるが良い教授に師事して幾らかの病理を学んでいる
そのうちの一つに水銀の急性、慢性毒性の研究があり、そこで見てきた沢山のマウスの尊い死から学んでいる
毒の特定は検視官に委ねられるが、青酸ガス、強神経毒の中毒も何例か経験しているので、分かると思えたんだろう
それに水銀は最も簡単に手に入る毒だ
そしてそれらの毒は通常、小型の注射器で持ち運んで簡単に注入出来る凶器だから、街中で見かけても不思議ではないと感じる
自分が死ぬことを考えるのはとても怖いんだろう
死ぬ理由があれば日本人は比較的簡単に死を選べるが、他人の意志により殺されるのことは極端に嫌う死生観がある
愛する男に一緒に死んでくれと頼まれると承諾する女性は居るが、どこぞのヲタクに殺されるのは嫌だというものだ
恋しい人を思う時に心を落ち着かせる言葉として、「道連れは一人まで」の名言を贈ろう
「人は簡単に死ぬ」
ケロはゆーきーに耳打ちした
大人っぽく人生の重みを持たせたい言葉だが単に頭の中のエロ半球が働いてるだけだ
どんな状況にもエロ妄想を忘れないのが一流のヲタクというものだ
「変態よ紳士たれ!」という標語と共に高校時代を過ごしたケロは、今はたいへんなへんたいとして大成している
ケロの脳の90%…言いにくいな
ケロ脳の右左脳の90%はエロ半球が占めている
後の残り9%が歯科的な知識で、1%はカラオケだから、先の台詞の意味は明確である
人はいつ死ぬのかわからないから、今夜はエロい事をしておきませんか?
いや、しよう!
というメッセージを込めていることになる
マイペースな男だ
だから警察との関わりも若いやんちゃな男の子の頃に経験していてこんな殺人事件の現場でも落ち着いていられる
場慣れとは、呼吸が安定している状態を言う
人は緊張すると呼吸は浅く早くなるから、体の重心は高く地に足がつかない感覚を初めての喧嘩で気がつくかも知れない
人の急激な死の前に落ち着いた呼吸をしている者は、非日常に場慣れしてるとか、余程肝の座った人
或いは、殺意を達成して安堵に喜ぶ犯人かだ
勿論逆もあるが、これだけ人の居る場所で人を殺すことを選べるんだから、緊張を抑える為に意識的に副交感神経の働きを優位にしてはいないだろう
嘘発見器などなくても人の嘘は簡単に見抜ける
女は嘘をつく生き物だから、嘘のスペシャリストを目指すなら、ナンパ氏になれば良い
女は目を見て嘘をつき、息を落ち着かせて話をするが、一つだけコントロールしきれていない体の部位がある
そこを見ると女が嘘をついているのかは直ぐに分かる
それは有料かな?
続きはWEBか、メイド喫茶に無料招待ならご教授しよう
推理小説だからとなんでもネタバレする気はない
それがへんたいの常識ってもんだから、今のなんでも簡単に手に入る情報に慣れた若者にはケチと呼ばれるが
あんたが無礼なだけ?
いや正式に販売されたら書くけどね
ヒントは匂いだとだけ書いておく
「ケロさま…ゆき怖い」
ぎゅーと腕を掴まれて、ゆきの可愛い感じのピンクの半袖カシミヤニットから美しい肌がケロのカエル肌に密着してくる
落ち着かせる為にケロも強く握り返す
博多の女は最高だな…元より朝鮮の血が濃い九州の女の肌は美しい
(΄◞ิ౪◟ิ‵)♡
日本では秋田、新潟の女性の肌に似ているが、少し毛穴が目立つものの、しっとり汗ばんで吸い付くのが特徴だ
推理小説のはずだよな?
要らんディテールに拘るなと推理小説マニアならずとも思うだろうが、違う
医療とは知性半分、エロ半分でなければ患者を治癒出来ないとケロは知っているので、研究心からこの様な思考形態を創り上げただけで、単なる妄想小説ではない
医療とは、人を診る
命を診るのだからその全てを知らなければならない
「人は恋をする為に生きている」が今のケロ語録の一つにあるが、性とは人の生きる根源にあり、これを無視した余所余所しい他人行儀な診療では人を治せない
ケロ自身、何時間も待たされた挙句に、少しも体に触ってもらえない診療にガッカリしたことは少なくない
先ずは患者に触れる所から今の間違えた医療改革を行う方が良いだろう
推理小説では凶器、犯人、動機を隠すのがセオリー
そのうちの二つを間もなく晒す気だからと、動機を語る社会派小説ではないし、不思議ちゃんの正体がネグレクトなんて悲しい話でもない
テーマは飽くまでも別にある