僕は数年前、鬱病と診断されました。


その当時、自分が抱えているチック症の事、服用している薬の副作用が辛い事、将来への不安、仕事のプレッシャー、金銭面的な事でかなり精神的に参っていました。

食事が喉を通らない、食べたとしてもすぐに吐きそうになる、何時如何なる時もネガティブな考え事をしていつも頭をかかえて下を向いてばかり。だけれど、仕事に穴を空けなくなかったので仕事には行くもののほとんど仕事にならない。

そんな日を繰り返し、周りが見ても僕が通常ではないと分かるくらい変わり果てた姿になっていった。

あれだけ仕事だけはしたいと思っていた気持ちもだんだん薄れていき、逆に仕事をしたくないという気持ちのほうが強くなってきた。

そんな気持ちも圧し殺しながらも仕事に行き続けた。

そんな中、仕事をしてると上司が「お前、最近様子がおかしいぞ。どうしたんや?」と話しかけてきた。


その瞬間、僕の中の糸が切れた。


「僕、辛いです。もう仕事したくないんです。」


体が崩れ、年甲斐もなく、泣きじゃくりながらそう訴えかけた。

その後、すぐに早退し、いままで行っていた病院とは違う別の病院を探し、診察してもらった。

「鬱病ですね。」

医師からそう告げられた。

その時医師は「鬱病は必ず治ります。正しい薬の服用、正しい休暇の過ごし方で必ず治ります。治るまでの期間は個人差がありますが治る病気なので深く考えないで焦らず治していきましょう。」と言われたのでその場では少し気持ちを立て直すことができた。


しかし、気持ちはすぐに悪い方へ悪い方へと向く。善からぬ事が頭を過る毎日を過ごした。

鬱病のせいで重度の記憶障害になった。朝、病院にいったことを昼過ぎには忘れているのだ。忘れているので、当然、今日はまだ病院に行っていないと思い、親に電話をして、「今日病院、何時に連れていってくれるん?」と何度もかけていたらしい。今でも自分ではそんなこと言った事を覚えていない。しかし周りの人がみんな口を揃えて言うので、まちがいないのだろう。その他にも後から色々、こんな事言ってた、とか、こんな行動をとっていたとか聞かされたが今でも本当に全く覚えていない。

そんな中でも治したいという気持ちだけは捨てていなかった。仕事に復帰したい気持ちも捨てなかった。


薬をきちんと服用し、医師に言われたように日々を過ごし、苦しみながらも鬱と闘った。

その甲斐もあって、約1ヶ月半くらいでとりあえず職場に復帰することができた。

とりあえず復帰なので当然、毎日仕事はまだ出来ない。1日行っては1日休み、2日行っては1日休み、今日は午前中まで、今日は何時間だけ、といった感じて仕事をしていた。ある意味、リハビリみたいな感じでの仕事だったので復帰は言い過ぎかもしれませんが・・。

そんな感じでの仕事を数ヶ月こなし、徐々に慣らしていって1ヶ月フルに働けるようになったのは実質、発症から一年近くはかかったと思います。それでも鬱症状っぽいのはまだとれていませんでしたが、そういうのが取れたと感じたのは、ほんの二年前くらいの事です。

治癒にかかった時間はこれでもたぶん早い方だと思います。もっと長い期間苦しまれている方もたくさんのいらっしゃいますので。


今は一応自分では鬱は治ったと思っています。チック症では相変わらず苦しんではいますが・・。


鬱病をきちんと治すにはどうしてもお薬や休養、ある程度の周りの助けが必要になってきます。

しかし一番大事なのは、

「自らが、この病気を治すという気持ちを絶対に捨てないこと」



「鬱病は必ず善くなると信じる気持ちを絶対に捨てないこと」

だと身を持って体験しました。

急ぐ必要はひとつもありません。自分のペースで良いんです。早く職場復帰したい、復学したいという気持ちはよくわかります。しかし、自分の経験からすると今日から、はい!完全復帰!なんてことは出来ないと思います。(ここは個人的な意見です。中にはすぐに完全復帰できるかたもいらっしゃるかもしれません。)

徐々に慣らしていく方向で職場や学校側と話をするか、もしくは自分で調整しながら「リハビリ的に仕事をする、学校に行く期間」を設ければ一番スムーズに治癒できるかとおもいます。

「そんな悠長なこと言ってられんし、できへんわ!うちの職場じゃそんな融通利かんわ。」と言う意見もあるとは思いますがあくまでも個人的な意見と経験に基づいたものですのでそのへんはご了承ください。


正直なところ、ここ最近、自身の病の事や仕事の事で鬱状態まではいかないものの、憂鬱な気分になる日が多く、また再発するのではないかという不安も少なからずあります。



今現在、鬱病に苦しまれている方が少しでも希望を持っていただければと思い、書かせていただきました。

少しでも参考になれば幸いです。

失礼します。