【男前道】映画「イントゥ・ザ・ワイルド」(原作:「荒野へ」)
男前なら荒野を駆けろっ!
友人のオススメで、結構前に借りてまだ観てなかった映画をようやく観た。
【概要】
ハーバードの大学院に入れるぐらい優秀な成績で大学を卒業した青年が、
両親の過去や家庭内暴力などの影響により反社会的になり、
貯金をすべて寄付し、カード類すべてにハサミを入れ、
無一文でアラスカを目指すという、実際に存在した青年をモデルにした放浪記。
原作は「荒野へ」 という本で、監督は「アイ・アム・サム」、「ミスティック・リバー」、
「21グラム」で有名なショーン・ペン。(マドンナの元旦那)
【感想】
予想以上に良かった。
良かった点の1つは、映像美。
要所要所に映し出される大自然は圧巻。
もう1つの良かった点は、表現(言葉)の美しさ。
主人公の青年は読書家で、会話や日記には頻繁に本から引用した表現がある。
この映画は、上記2つの「美」を表現しながら、
青年の様々な価値観の変化を上手に表現できていたと思う。
中でも印象的だったシーンを以下に。
映画中盤、ロンという老人と出会い、大自然の中で語っているシーンにて。
人生の楽しみは人間関係だけじゃない
と言っている。
それに対し、食用の植物と間違えて毒性のある植物を食べ、
あと少しで死んでしまう、というラストシーンにて。
幸福が現実となるのは、
それを誰かと分かち合った時だ
と本の余白に記している。
楽しみは人間関係だけじゃないけど、
楽しみ含め、幸福含め、不幸含め、それが現実となるのは
それを自分以外の誰かと共有した時だけだと、死ぬ前に感じたのかと。
自分で感じたこと、経験したこと、価値観などすべて、
自分から見るすべての自分は現実なんだけど、
それはあくまで自分が現実だと思っているだけで、
現実じゃないかもしれない。たとえそれが本当に現実でも。
人生含めすべて、他があるから自分がある。
相対的でしかない。
観賞後は思想家の本が読みたくなるような映画
「われ思う,ゆえにわれあり」
で有名なフランスの哲学者デカルトの本を読みます。
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